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草間彌生-永遠の永遠の永遠 国立国際美術館

  大阪中之島の国立国際美術館で、「草間彌生-永遠の永遠の永遠」と題された展覧会が開催されている。草間彌生については、以前に3回ほど個展を鑑賞したことがある。今回の個展では、83歳にして未だに創作意欲旺盛で、その成果たる2005~2011年に創作した作品を展示している、という。
  草間彌生のモチーフは、幼少期から抱き続けている「水玉模様」の瀰漫、有機的・生物的なもの、つまり「生命」のイメージの重視、その延長上にある「性」、「性愛」、そしてそれらのアンチテーゼとして、生命を拘束し停止させる「死」であろう。

Photo

  インスタレーションとして、展示室一杯の内壁と、FRPで造形した大きなチューリップを、白地のうえに赤色の水玉模様で覆い尽くした「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」(2011)という作品がある。われわれは、この部屋に入って、まわりを取り囲む水玉模様と、巨大なチューリップに囲まれることになる。そこはかとなく生命体の胎内に安らぐような安心感と、コントラストの強い水玉模様のエネルギーを感じることができる。

Photo_2

  最初の展示室全体のタイトルともなっている「愛はとこしえ Love Forever」(2005)という画題を付けられたモノクロームの作品がある。ここには、草間彌生が早期からモチーフとしているさまざまな要素が導入されている。生命,細胞、あるいは精虫をイメージするさまざまな形態のちいさな多数の形、それらが繋がり、相互に依存し合って存在する状態、その基本的な形から形成される女の顔、など。Photo_3 

  アクリルで大きなカンバスの上に着色で描いた「心から生命の賛美をうたい上げたい」(2009) という作品がある。ここでも、多数の細かい、有機的な造形と、画面の周囲を囲んで中央に迫ってくる拘束や死のイメージとで構成されている。草間彌生は、ジョージア・オキーフから大きな影響を受けたと言っているが、オキーフにとっての花に相当するモチーフのイメージが、草間彌生にとっては、これらの多数の水玉模様であり、また生命・細胞・精子をイメージする多数の形なのだろう。水玉模様だけではない、草間彌生が多用する大小さまざまな点々は、それぞれが生き物であり、細胞であり、精子であり、生命の構成要素なのだろう。
  2009~2010年の1年半くらいの間に、1000点の作品を造り上げたというから、たしかに創作のエネルギーはまだまだ健在らしい。私は草間彌生の作品に、メディアの批評によくあるような大きなエネルギーというよりも、生命への憧れにも似た賛美と、それに裏腹の、生命および愛、そして性愛を含む人間の関係性の儚さ・脆さへの恐れを強く感じる。
  ちいさな部屋の周囲の壁の全面に鏡を貼り、その中に多数の着色電球を配置したミクストメディア「魂の灯」(2008) は、命の光をイメージした美しいインスタレーションである。ここでも、多数の小さく光る灯は、生命の構成要素を表出している。
  映像コーナーでは、13分間の短篇ドキュメンタリー・ビデオとして、最近の草間彌生の創作風景を放映している。「自分は天才」、「絵画があるから、自分はこれまで自殺せずに生きてこられた」という独白は、草間彌生にとって率直で正直な言葉なのだろうと思う。描いても描いても、尽きない表現したいイメージというものが、この画家にはどんどん湧き出てくるのだろう。一方で、今回の作品展でもわかるように、それらは非常に似通った、同じような印象の作品群となる。湧き出る旺盛なイメージと表現意欲、そしてその豊かさと単純さ、それが草間彌生の魅力なのだろう。

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