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大エルミタージュ美術館展 京都市美術館 (3)

  18世紀は、後半・末期に、経済・産業の世界ではイギリスを嚆矢に産業革命が起こり、また政治の世界ではフランス革命が起こった、変革・革命の時代であった。このような激動の事態に、フランスでは美術様式がさらに変化をとげ、ロココ様式が流行した。そして18世紀末には、新古典派が登場する。
  ニコラ・ランクレ「踊るカマルゴ嬢」(18世紀前半) は、当時一世を風靡した高名なパリの踊り子カマルゴが自由に踊る情景を描く。カマルゴは、伝統的な舞踏の衣装を否定し、快活な動きを確保するため重いカツラをとり去り短い髪形とし、スカートを短くした装束で活発・華麗に踊ったという。そしてこうした人気ある踊り子のファッションは、街の女性たちに大きな影響を与えるようになり、近代文化が広範に普及するようになっていく。Photo
  ジョシュア・レノルズ「ウェヌスの帯を解くクピド」(1788) は、ベッドに横たわるヴィーナスの衣服を、キューピットが脱がせている絵である。美しい若い女性が性愛へ一歩を踏み出す瞬間を暗示するエロティックな美しい絵である。スキをみせた姿勢と、顔の一部を腕で隠すことで、より一層女性の容貌の美しさを想像させる巧みな表現である。
  またこの時期の、多数の女性の肖像画が展示されている。リチャード・ブロンドン「エカチェリーナ2世の肖像」(1782) は、おそらく画家の立場上、実際よりも美しく描きすぎているように推測するが、ロシアを大きく牽引した実力派のドイツ人女王の心の強さは現れている。宮廷画家として活躍したがためにフランス革命で一旦追われたものの、その美貌と人当たりの良い人柄のお蔭で立派に画壇の中心に舞い戻ったというエリザベト・ルィーズ・ヴィジェ・ルブランの「自画像」(1800) がある。たしかに知的で愛くるしい恵まれた美形である。もうひとり、アンゲリカ・カウフマンという女流画家の「自画像」(1780-87) も、なかなかの美貌である。やはり女性は職業人でも、美貌が有利なのはいつの時代も同様であるらしい。
Photo_2  オーラス・ヴェルネ「死の天使」(1851) は、なんとも不気味で暗い絵である。それは、この作家の娘が、この作品を描く少し前に夭逝した悲しみを描いたことによるらしい。白い服を着た若い女を背後から抱える不気味な暗い影は、死神なのだろう。女性は右手の指を真上に突きたて、まもなく昇天することを示しているかのようである。そして女性の頭の真上からは、天からの光が差し込んでいる。女性の脚元には、歎き悲しむ男がうつ伏せている。おそらく画家自身の姿なのであろう。

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