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バーン=ジョーンズ展 兵庫県立美術館 (4)

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  このようにバーン・ジョーンズは、中世の神話あるいは宗教的題材にもとづく絵のほかに、古くから伝わる物語についても、多くの作品を残している。「ねむり姫」も、グリム兄弟が童話として取り上げるまでに、古くからの伝説のひとつとして広く知られていた。バーン・ジョーンズは、これに関して30年間以上も取り組み、さまざまな作品を連作として残した。「いばら姫」(1872) はこれらの連作のうちのひとつで、世界的に有名な油彩である。主人公の姫は優雅に横たわり深い眠りについている。女王の頭の上、画面の右上には停止した砂時計が描かれ、時間が永遠に停止していることを示している。姫のまわりに連れ添って眠る3人の女性たちの姿勢や腕も、精密に計算されつくした配置をとっている。これらの人物をとりまく多数の装飾的ないばらの花も、周到に設計された配置をとり、徹底的に考え抜かれた静寂な美の世界を構成している。
  最晩年の「東方の三博士の礼拝」(1894) 、聖杯堂の前で見る騎士ランスロットの夢」(1896)、「アヴァロンに於けるアーサー王の眠り」(1894)などの作品は、実に充実した迫力があり、老齢はまったく感じられず、円熟と情熱を感じる絵画である。
  これらのほかに、多数の物語本の挿絵、オックスフォード大学在学中に制作・出版した「オックスフォード・ケッブリッジ・マガジン」の現本、世界三大美書のひとつとされるモリスが自分で活字のデザインまで設計して作った豪華本「F.S.エリス編纂『チョーサー著作集』」(1896) などの展示がある。生涯の親友モリスとともに、絵画のみに止まらず、美に関する芸術については意欲的に広範囲に活動していたようである。
  展示を見始めたときは、題材が中世であり、多くはキリスト教関連であり、少し馴染みにくい印象があった。しかしじっくり見ていくと、一見マニエリスム風に見える画風が、実は非常に計算された意欲的な独創性を秘め、微妙に新規でかつ果敢な表現が見られ、非常に新しい芸術の要素を発見することができる作品群であることがわかった。
  私にとっては、意外に興味深い印象の鑑賞であった。(終)

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