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安藤忠雄氏講演 兵庫県立美術館

  しばらくぶりに、建築家 安藤忠雄氏の講演を聴いた。兵庫県立美術館でクラーク美術館特別展の初日を記念する講演である。
  主題は「芸術で感性を磨け」というものである。
  このたびクラーク美術館の増改築に携わるようになったこと、そのクラーク美術館の紹介などから、芸術を鑑賞する、芸術に関わるということが、単に短時間絵や彫刻をみつめることではなく、美術館の環境である自然・森・空気・気候などのすべてをみつめることである、と。また、直島プロジェクトを紹介して、小さな島を熱意をもってアートの島として再生することの意義を説く。1年や2年ではとてもできないけれど、10年20年をかけると、島の自然は着実に再生できる。それを事業家 福武氏の情熱が実現した。
  美術館は、単に建設したらおしまい、というものではない。美術館をみんなで「育てる」ことが必要である。美術館には、多くの人びとに来訪してもらわなければならない。美術館をつくる側も鑑賞する側も、芸術に対して「主体的にかかわる意志」が必要である。
  芸術はものまねではなくて「創造」である。創造された芸術を観て、なにを感じるか、なにを考えるかは、観た人の自由である。芸術に関わることで、あるものを生かして無いものを造りだすヒントを得ることができる。チャンスを得る、自分の目標を自分で探して獲得する,などの可能性ができる。なにより「感性」を磨くことが、自分のチャンスを探して、実現していくスタートポイントである。
  わが国は、さきの大戦後アメリカの占領下に入り、マッカーサーは「日本人から『個人』を除去する」方針で指導した。すっかり虚弱になった日本人だったが、それでも戦後の復興期まではまだ元気があり、意欲があった。それが、高度成長期がおさまった1980年代以降すっかりダメになった。ほんとうは、これからはすべての人びとにチャンスがある良い時代なのである。なのに「カネさえあれば」と、せっかくのチャンスを矮小化して、つまらんことを目標にしてしまう傾向がある。もっと自由に、自分の大きな可能性を信じて、総合的にさまざまに思考して、自分のチャンスしっかり考え、突き進まないといけない。そのためには、まずは自立して、自己責任を明確に認識して、粘り強く目標に向かって努力すること。そのためにはなにより「感性」が必須であり、それを磨くチャンスこそが「芸術」にある。
  だいたい、以上のような内容であった。独特のダミ声で、元気に40分あまりを一気に話された。リズムと勢いがあって、間延びがなくて聴いていて飽きない。あっというまに講演時間が過ぎて、終了時には聴衆から大喝采があった。

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