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アンリ・サラ「インテルヴィスタ」「映画をめぐる美術」展(下)

  アンリ・サラは1974年アルバニアのティラナに生まれた映像作家である。このヴィデオ作品は、1970年前後に共産主義・社会主義政権でありながらソ連と激しく対立に至り、中国と親密になるころに若手運動家として活動した母親を、息子がインタビューし映像記録する、という形式で作成されている。
  アルバニアは、第二次世界大戦の後、イタリア、続いてドイツの支配から独立して共産主義政権となり、エンヴェル・ホッジャを大統領とする時代が1989年の東欧解体まで続いた。この間、ソ連との対立、中国への接近と決裂を経て、ヨーロッパ最貧国、北朝鮮とならぶ最後の劣悪な社会主義独裁国家と呼ばれ、ようやく1990年ころからゆっくり解放路線に転向し、1992年からサリ・ベリシア大統領による自由主義化に移っている。しかしベリシア政権も、大規模なねずみ講事件で国民の三分の一が全財産を失うという大問題を発生して失脚し、未だに混迷を深めている。
  この作品に登場する元活動家の母は、自分が若いころインタビューで懸命に話しているようすを記録映画で眺めて、その当時の自分が言った内容が、今では意味不明で荒唐無稽に思うと言う。自分は正しいと信じて進んできた道だが、今は失望している、とも話す。しかし子供の世代の未来に一抹の希望をつないでいる。「重信房子、メイ、足立正夫のアナバシス、そして映像のない27年間」にしても、この作品にしても、20世紀を覆ったマルクス主義、社会主義の影響、とくにその負の側面の甚大さには、改めて考えてしまう。

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