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ロシア映画「娘はアメリカ人」

 テレビの深夜放送で、ソ連崩壊以後に制作されたロシア映画を放送していた。
 ロシアから米国に来ているアレクセイは、かつて米国人と結婚し、7歳になる娘があるが、4年前に離婚している。娘アニーは、米国人と再婚した母親と裕福な家に米国で暮らしている。米国に住み着いてタクシー運転手をしている友人を頼って、アレクセイはなんとか娘を取り戻そうと近づく。やがて娘も実の父に気づき、娘の方から家出してロシアのおばあちゃんのところに行こうと提案する。飛行機で出国するのはむずかしいので、まずメキシコに出て、そこからロシアに行くという計画である。こうして父と娘の逃避行が始まる。まもなく米国全土に、精神障害をもったロシア人の父親が、娘を誘拐して逃げているという報道が始まる。アニーは髪を短髪に切り込んで、古着屋から少年の服を買って変装する。アレクセイの服と帽子もアニーが買いそろえる。ヒッチハイクで乗せてもらった運転手は、途中で逃避中の父娘と知るが、娘の意思で逃避しているらしいこと、父と娘の愛情が真剣なこと、などを感じて匿ってくれる。アリゾナのフェニックスに行くつもりが、まちがってオレゴン州のフェニックスに行ってしまう。アメリカの知らない土地でさまよう二人。父はロシア語しか話さず、娘は英語しか分からない。しかし身振りを交えて父と娘はコミュニケーションを続ける。海岸で互いに言葉を教えあい、通じ合って至福の時間を過ごす二人。途中警察に捕まるが、娘の父への愛情に打たれた保安官は、二人を逃がしてくれる。しかしついにアニーは病気となり、娘を救うためにアレックスは自首する。アニーの母は、懲役4年の刑期と引換えに、アレックスにロシアに帰ることを要求するが、アレックスは断る。刑期中に作業場で働くアレックスのところに、空から正体不明のヘリコプターが降りてきて、アレックスを乗せて飛び立つ。ヘリコプターを運転していたのは、アニーだった。
 ソ連崩壊にともなうロシア人の精神的混迷、米国人のロシア人への好意と軽蔑、国の違いにかかわらない人情、アメリカ人の暖かさ、など、米国を舞台にしたロシア人監督の作品ではあるが、感情的な解釈としてはかなり公平に描いていると思われる。アレクセイを演じる俳優も、ロシア人の朴訥さ、気真面目さ、頑固さを良く演技している。それにしてもアニーを演じる子役の可愛らしさが目立つ。7歳という設定にしては、あまりに美しく、ませていて、賢すぎるという気もするが、ともかく妖精のように美しい。ラストシーンは7歳の娘がヘリコプターを操縦して父を収容所から連れだすという、多少荒唐無稽なものだが、それなりにメルヘンぽくて好感が持てる。
 舞台が米国であり、ロシア人の暮らし振り、町のようすがわかるわけではないが、ロシア人がアメリカ人をどう見ているか、ロシア人の人情のようすなどは、よく表れていておもしろい。ほのぼのとした気持ちになれる良い映画である。(1999.4.18)

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