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「皇室の名品」展 京都国立近代美術館 (3)

  明治初期の作品として、高橋由一「明治天皇御肖像」[御物](明治13年)、五姓田義松「昭憲皇太后御肖像」[御物](明治12年)、エドアルト・キヨッソーネ「明治天皇御肖像」[御物](明治22年) などが展示されている。高橋由一、五姓田義松は、いずれもわが国西洋画の草分けで、二三十年以前に横浜美術館や鎌倉の神奈川県立近代美術館で特集展を幾度か鑑賞したことがある。
  床次正精「噴火山之光景」(明治16年) というわが国では早期の油彩がある。幅2.5メートルほど、高さ70~80センチメートルの横長の大作である。桜島を湾内海面から眺めた風景で、全体に空と海面の青色を基調として、多数の帆船がのんびり浮かび、噴火山の緊張感よりも、ゆったりした長閑さが感じられる清澄な作品である。床次正精(まさよし 天保13年~明治30年) は、旧薩摩藩の出身で、明治維新の後は司法庁検事・判事を勤めた高級官僚であった。幕末に長崎でわが国としては先駆けて西洋画、とくに油彩に接し、早くから独学で西洋画を研鑽した。官僚として勤務のかたわら、伊藤博文、グラント将軍などの肖像、大日本帝国憲法発布の式典の絵など、多くの油彩作品を残した。昭和初期の政治家 床次竹次郎の父でもある。余談になるが、この床次正精の実兄であった児玉宗之丞が残した日記が、『児玉宗之丞日記』(上・下)として、南日本新聞開発センターから翻刻板が発刊された。明治維新から明治中期ころの鹿児島の知識人の日常を記録する貴重な史料である。
  皇室の名品の展示会だが、わが国近代美術のエッセンスを見る機会となった。会場は思いの外多数の観衆で混雑していて、170点もの展示を鑑賞するのは、いささか疲れた。

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