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2015年の高槻ジャズストリート

  お正月がきて、お彼岸の墓参が済むと、まもなく花見の季節となる。花見も場所によって開花日がずれるので、複数の桜花を見ると、すぐに半月ちかくが経過する。そのあとすぐに芥川で鯉のぼりフェスタがあり、ゴールデンウイークの連休となり、今年もまた高槻ジャズストリートが開催されることになった。今年はあまり欲張らず、高槻現代劇場付近だけに絞って鑑賞することにした。
まず参加したのが、桃園小学校の野外会場である。高槻市近辺のさまざまな飲食店が出店を出して祭り気分を盛り上げている。ちょうど「今西佑介セクステット」のセッションを聴くことができた。2015
  つぎは、高槻現代劇場に向かう途中にある洋酒バー「ROUTE171」に立ち寄った。「松本真由美・高橋賢デュオ」の演奏である。京都市内で活動することが多いデュオだというが、若い男女のひっそりした感じのデュオである。高橋賢の丁寧なピアノ、松本真由美の控えめなエレキギターでしっとり聴かせるのはとても好感がもてる。私にとっての懐かしのメロディーの演目では、加齢のせいか、つい涙腺が刺激されてしまう。せまいバーの空間で演奏を聴くので、聴衆も10名もいない。1メートル以内のきわめて間近で演奏を見つめ聴くというのは、なによりも贅沢である。
  そして最終目的地の現代劇場に向かった。まずは高槻現代劇場文化ホールで、菊池英亮カルテットのセッションを聴いた。サックス栗田洋介、ベース長谷川晃、ドラム斎藤洋平、そしてピアノが菊池英亮である。しっかりと華麗に菊池のピアノが奏で、そのなかで伸びやかに華やかに栗田のサックスが歌う。ジャズらしい軽快で楽しい演奏であった。
  そしてついに、高槻現代劇場大ホールに入った。最初のセッションは、ピアノ椎名豊に、飛び入りでサックス奏者大山日出男が参加するカルテットの演奏であった。椎名豊のピアノもしっかりした感じでとても良いが、大山のサックスが華を添えて、はなやかで正統的な美しいジャズ演奏であった。
  大ホールの2つめは、毎年恒例の人気デュオFried Prideのセッションであった。ボーカリストのShihoとギタリストの横田明紀男のデュオである。すでにデュオを結成して15年、高槻ジャズストリートに10回の登場となるという。病気から復帰したという横田明紀男の華麗で技巧的なギターがすばらしい。それをバックに自由自在に歌うShihoのヴォーカルがまたまたすばらしい。それぞれの演目がよかったが、とくにナット・キング・コールで有名な「スマイル」は、よく聴いていた曲だけに感動して涙が出た。
  最後のセッションは日野皓正クインテットである。日野皓正は、私が学生時代のころから有名となり、ほぼ同じ時代を生きてきた。現在72歳だという。高槻ジャズストリートの第一回に参加し、これまでの17回のうち通算7回参加しているという。日野皓正クインテットは、若手を積極的に登用して人材を育成することでも知られている。今回のメンバーは、石井彰 (ピアノ)、加藤一平(リードギター)、須川崇志(ベース)、田中徳崇(ドラム)という、かなりベテランの多いメンバーと言える。演目は、南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が27年間の長い牢獄生活から開放されたときの感激をきっかけに日野皓正が作曲した曲、さらにそのマンデラ氏が2013年の年末に95歳で亡くなったときに追悼のために作曲した曲を、それぞれ演奏した。そのあと、私が大学生の時代1967年に、リリースした『アローン・アローン・アンド・アローン』を演奏した。これはかすかに覚えのあるメロディーで、とても感動した。72歳とはとても思えない、澄みきった引き締まったトランペットで、クインテットのすべての音が日野皓正のトランペット演奏に凝集していくような、メンバーの強い結束を感じる魅力ある演奏であった。最後は、2011年の東日本大震災の応援歌として日野皓正とFried Prideの横田明紀男が共作した「Never forget 3.11」で締めくくった。”Never forget 3.11, Never, Never forget”と繰り返して歌う日野皓正の肉声は、トランペットと同様にとても若々しいエネルギーに満ちたものであった。日野皓正クインテットの演奏は、どの曲目も15分以上の長いものが続き、時間も予定の45分を大きく過ぎて、1時間以上にもわたる、サービス満点のセッションとなった。
  若いころは初めて聴く曲が多く、感動するとそのたびに見知らぬこれからの自分の将来を漠然とイメージして夢を膨らませて聴いていた。聞き覚えのある曲でも、なんとなく将来に向けて、その曲にまつわる自分の自由な夢を追加していった。還暦を過ぎ、現役生活を引退したいまとなっては、新しい曲を聴いて感動すると、現世・浮世をしばし忘れて夢見心地になるが、将来を夢見るわけではなく、しばし現実を遊離してふんわりと異次元に漂う感覚である。懐かしい聞き覚えのある曲を聴くと、昔その曲を聴いたころのことを思い出し、そのころのシーンがフラッシュバックして懐かしさが込み上げてくる。年齢を重ねると、良い楽曲を聴いたときの感動の仕方も、随分変わってくるものだと改めて思う。
  高槻ジャズストリートは、今年で17回を迎えたという。今年は、思いがけずほぼ同じ時代を歩いてきた偉大な演奏家日野皓正を直接聴くことができて、幸運な機会であった。

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