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建築家としてのガウディ 「ガウディと井上雄彦」展 (2)

 富豪アウゼビ・グエイのもと、ガウディは邸宅、商業施設、公園、そして工業団地などにいたるまでの多様な創作を実行していく。グエイにより、グエル邸、コロニア・グエル教会地下聖堂、グエル公園などの設計を行った。
 グエル公園の地面や壁に用いたガウディの独創として「トランカディス」という破砕タイルによる造形がある。局面にも貼ることができ、多様で繊細な表現ができるタイル芸術として、彼は舗道や壁、邸宅の内装にもこれを多用した。

Photo
Photo_3  邸宅として「カサ・ミラ」(1950ころ)がある。実業家のペレ・ミラとその妻ルゼー・セギモンの邸宅である。会場では、畳一枚くらいの大きさの石膏模型が展示されていた。柱を用いず、高強度の壁で建物を支え、斬新な曲面をふんだんに取り入れたきわめてモダンな建物であり、建築物というより、むしろ巨大な現代彫刻の風貌である。あまりに斬新であったがため、竣工から長らくバルセロナの人たちは、これを醜悪な建物として入居者もほとんどいないという状態が続いたというが、現在ではバルセロナを代表する芸術作品かつ歴史的建造物として世界的に認められ、見学者が耐えない。
 ガウディは、建物だけでなく、その内装品までデザインしている。カサ・パリリョは、繊維業で富豪となったジュゼップ・バッリョ・イ・カザノバスの依頼を受け、1877年に建設されていた建物を、ガウディの設計にもとづいて1904年から1906年にかけて改築したものであり、やはりバルセロナにある。建物も、改築とはいえ、曲線を多くとりいれた斬新なものであったが、この内装品の多数をガウディは自ら設計した。樫の木材を用いた扉が展示されている。
 カルベート邸という屋敷のために設計した椅子も展示されている。木製でクッションは皆無だが、曲線を導入した絶妙な形状は、現代科学で解明すると実に人間工学的に理に適っていて、とても快適な理想的な構造である、という。実際、レプリカが会場に据え置かれていて、来場者は自由に座ることができる。座ってみたが、たしかに木の硬さを不快に感じることがない。Photo_4
 ガウディの造形は、無機的な印象を極力抑制して、有機物的・生物的な印象を積極的に導入していることが最大の特徴であると思う。日本でたとえば黒川紀章が難解な言語で説いて、斬新なスタイルとして導入した「生物のような曲線」が、実は数十年以前にガウディが実現していたのではないか、と思わせる。
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