2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
フォト
無料ブログはココログ

« 須賀川市街散策 (7) | トップページ | ジョルジュ・モランディ展 兵庫県立美術館(2) »

ジョルジュ・モランディ展 兵庫県立美術館(1)

  兵庫県立美術館の企画展として「ジョルジュ・モランディ ―終わりなき変奏―」が開催された。イタリアで孤高の創作活動に生涯をささげた画家の個展である。
0   ジョルジュ・モランディは、1890年イタリア北部の古都ボローニアに生まれた。青年期の1907年から1913年までの6年間を、地元の美術学校アカデミア・ディ・ベレ・アルティに学んだ。生涯を通じて静かに画家としての創作活動を継続したが、その間1914年から1929年までの15年間をボローニアの小学校でデッサンを教えた。その間の、1915年軍隊に入ったが、まもなく病気のため除隊したという。画家として認められて、1930年から小学校の教師を辞めて、自身の母校でもある美術学校アカデミア・ディ・ベレ・アルティで版画を教えた。この職は戦後の1956年まで26年間勤務した。このように、彼は生涯のほとんどの期間を教師としての職業を持ち、その給料を糧にきわめて質素に創作活動に励んだ。60歳ころからは世界的にも高名となったが、彼自身は富や名誉にきわめて恬淡としていたという。
  モランディは、美術学校を卒業した直後ころには、当時の前衛的絵画であったウンベルト・ボッチョーニやカルロ・カッラたちの未来派や、ジョルジョ・デ・キリコらの形而上絵画の画家たちと接触し、影響を受けたといわれている。ごく初期の作品は、後の画風とはかなり異なり、他の多くの画家たちとの顕著な差異はない。ただ、モノクロームのデッサン風の絵に描かれたきわめて精緻なハッチングは、独特のものである。
  また初期の作品の一部には、セザンヌの分析―構成的な作風やキュビズムの影響を受けたと思われる分解―再合成の画面構成がみられる。
  中年になったころのシリーズに「溝に差す影」という連作がある。縦に浅い溝が入った丸いガラス製の小さな容器に、自分が気に入った色をつけて、同じ真横の方向からゆるやかな光を当て、何度も描写を繰り返し、少しずつ光の表現を変えている。この展覧会でタイトルとしている「変奏」という表現がぴったりすると思う。ごく微妙な影と光のコントラストを、丹念に丁寧に、少しずつ変えて描いている。精緻な静物画であるが、同時にきわめて思索的かつ完全に操作され制御された対象であり、画面である。そのため、きわめてリアルな具象の見掛けであるけれども、とても抽象的な内容の絵でもある。
  彼が描く「静物」の対象は、日常生活に登場するごく普通の日用品の形状に「似ている」けれども、画家のよって精密に操作され、加工された品物である。「さかさの漏斗」という品物は、金属の円筒の上に逆さにしたじょうごを溶接した画家による人工物で、彼の作品に何度も描かれた。
人気ブログランキングへお気に召せばクリックください

« 須賀川市街散策 (7) | トップページ | ジョルジュ・モランディ展 兵庫県立美術館(2) »

美術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1444830/63880081

この記事へのトラックバック一覧です: ジョルジュ・モランディ展 兵庫県立美術館(1):

« 須賀川市街散策 (7) | トップページ | ジョルジュ・モランディ展 兵庫県立美術館(2) »