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ダリ展 京都市美術館(1)

若いころのダリと「ミューズ」ガラとの出会いまで
  久しぶりにダリの個展が開催されるというので、猛暑のなかを京都市美術館に出かけた。私はこれまでさまざまな美術展でダリの作品を垣間見てはいるが、こうしてダリの作品だけをまとめて鑑賞するのは初めてである。Photo
  サルバトール・ダリは、1904年(日本の明治37年) スペインのカタルニア地方フィゲーラスに富裕なユダヤ人の子として生れた。幼いころから絵を描くことが好きで、早くから近くに住んでいたラモン・ピショットという画家にその才能を認められたという。ダリは18歳でマドリードのサン・フェルナンド美術学校に進学し、そこで詩人のフェデリコ・ガルシア・ロルカや、後に高名な映画監督となったルイス・ブニュエルと知り合って刺激を与え合った。このころの自画像がある。印象派の影響が少し感じられる表現である。背景には、ラモン・ピショットの家が遠景に含まれているという。また、ルイス・ブニュエルの肖像画もある。これは当時のキュビスムの影響と古典主義的表現との両方が入り交じった画風で、それでもともかく的確で精緻な描写力が際立っている。
  23歳のころ、ダリはパリに行き、そこでアンドレ・プルドン、パブロ・ピカソ、ポール・エリュアールなどのシュールレアリズムのリーダー的芸術家たちと知り合った。
Photo_3   ルイス・ブニュエルとは、24歳のころ共同で「アンダルシアの犬」という16分程度の短編映画を制作した。これは男女間の情のもつれをモチーフとする映画だが、ストーリーはほとんど不明で、随所に衝撃的な思いがけないシーンが登場するまさにシュールレアリスティックな作品である。この作品は大きな話題を呼び、多くの観衆から反感を買ったが、一方ではアンドレ・ブルトンやパブロ・ピカソなどから絶賛された。これを機会にダリは、シュールレアリストのグループに入会した。
  そして25歳ころにダリの生涯を大きく左右する事件が起こる。少し前から知り合っていた詩人のポール・エリュアールが妻ガラをともなってカタルニア地方カダケスにあったダリの別荘を訪問したのである。まもなくダリはガラと運命的な恋に陥った。ダリに走った妻に失望したポール・エリュアールは、一人カダケスを去って失踪したりして、一騒ぎがあったが、結局5年後にダリは正式にガラと結婚した。ガラは、ロシアのタタルスタンに、やはり富裕なユダヤ人の子として生れたダリより10歳年長のロシア人女性で、若くして結核を煩い、療養のため滞在したスイスのサナトリウムで同い年のポール・エリュアールと出会い、結婚していた。生涯にわたって若い芸術家の男性を好み、また性的欲求・衝動の強い女性であったという。そのような強烈な個性が芸術家をインスパイアーしたのか、ダリと結婚してからも、生涯にわたって若い芸術家の男たちを身近に侍らせ、自由奔放な性的欲求に生きてダリの悩みの種ともなりつつ、同時にダリの創造性を支え続けた「ミューズ」であったという。

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