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デトロイト美術館展 大阪市立美術館(3)

20世紀のドイツ絵画
 このコーナーは、主にドイツ表現主義の作品を集めている。「表現主義」とは、絵画、文学、映像、建築などの多様な芸術分野において、感情を作品中に反映させる表現傾向を指す。わが国では、戦前より「ドイツ表現主義」と呼ばれることが多かったという。マティスなどのフォービズムにも影響を受けて、大胆な色彩で感情を豊かに表現しようとした。
Photo  コーナーの冒頭に、ワシリー・カンディンスキー「白いフォルムのある習作」(1913) がある。カンディンスキーはドイツ人ではなくロシア人であるが、若いころよりドイツで絵画の勉学に励んだ。右上にはロシア正教の教会が描かれ、右下半分近くは青騎士をいささか抽象的に描いている。色彩と曲線を主にした形には不思議な魅力があって、眺めていて飽きない。なんとなくシャガールとも共通する「ロシア風」というイメージは感じる。
  エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー「月下の冬景色」(1919) がある。第一次世界大戦に応召し、戦争経験から神経を病み、除隊した後の夢からこの作品を描いたという。冬の山麓の景観を、赤色の空、紫色の樹木など、現実離れした色彩で大胆に描く。たしかに色彩はきわめて特異であり、非現実的でむしろ不気味でさえある。しかしその反面、なにか澄みきった清澄な雰囲気すら感じさせる、不思議な魅力をもった作品である。Photo_2
  パウラ・モーガーゾーン・ベッカー「年老いた農婦」(1905) がある。中心に描かれた農婦の顔は、年輪を重ねた重厚で濃い表現がされており、画面中央の胸元に添えられた手はいささかアンバランスに大きく、その皮膚や皺がこの農婦のこれまで生きてきた辛苦や過酷な労働を象徴している。背景は壁と空とで二分され、下半分は暗い緑色で農婦の過去の苦労の多い暗い生活を象徴する。上半分の空は明るく、この老いた農婦の余生の希望を象徴している。ドイツ表現主義の典型的な作品である。
  これらドイツ表現主義の作品郡は、ナチスによって「頽廃芸術」と烙印を押され、多くが破壊されてしまった。このような不幸な事件は、たとえばキルヒナーを自殺に追いやるなどマイナス面が多々あった反面で、ドイツ表現主義の芸術運動を強く印象づけ、以後の芸術の前衛となる機会ともなったとされている。

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