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ダニ・カラヴァン 室生山上公園芸術の森(下)

公園に入ると、ほかに入場者はごくわずかしかいない。この広大な展示場を、私たち夫婦と友人の3人で占領しているような、とても贅沢な気分である。
 入場して最初に出合うのは「ピラミッドの島」という作品で、池の上に丸い形の島が2つあり、そのひとつには2つの分離したピラミッドのような造形が鉄で構成されている。ここで用いられている鉄材は、すぐに錆びるがその錆びが進行せず、全体が腐敗することなく長期間の寿命を維持できるような素材を選別している、という。

Photo

 「らせんの水路」という作品がある。遠くの山裾の木立のなかに水源があり、そこから水が蛇行する水路によって流れ来たり、らせん形の水路に至って周囲から順に中に向かって水が流れ、ついにらせんの中央のシンクに流れ込むという構造になっている。
 「太陽の島」という丸い島があり、そこから「太陽のゲート」という頂上の中央が切れたような形の「コの字型」のゲートがいくつも並んだ橋が突き出している。この全体を「太陽の道」と名付けている。ダニ・カラヴァンによると、この作品は室生寺との時空を超えた関係性を表現したもので、自然界で永遠に再生を繰り返す、人間にとって普遍的なこころの拠り所である太陽をコンセプトにしているという。

 
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 最後に「波形の土路」という並木道のような作品がある。鑑賞のための通路から、公園の北西を区切る山裾の森に向かってつづくリズミカルな雰囲気の道である。
 このような造形を芸術として創作するためには、通常の美術制作と異なり莫大な費用を要する。それにも関わらずダニ・カラヴァンには頻繁にスポンサーがついて、しかもユダヤ人と対立しがちなドイツから受注することが多いのだという。
 たしかにダニ・カラヴァンの造形は、大きくて迫力があるだけでなく、暖かみ、優しさが感じられ、かつとても知的である。このような表現で魅力的な芸術が構成できる、ということに改めて気づく。とても充実した楽しい鑑賞であった。

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