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松方コレクション展 神戸市立博物館 (5)

20世紀絵画の展開
  パブロ・ピカソ「読書する婦人」(1920) がある。この作品を描くまえ、ピカソはルノワールの絵に感銘を受け、その影響でこの絵の女性の手や足が異常に大きく描かれるようになったと説明がある。たしかにこの絵では、ピカソにしては分解もデフォルメも少なく、とても端正だったであろう女性の容貌が美しく描かれている。Photo
  ウォルター・リチャード・シッカート「炉辺の女」は印象の強い作品だ。貧しい身なりの女性が、炉のそばで画面右上を憔悴しきったような表情で見上げている。絶望的な表情にも見えるが、唇だけがいささか異様に赤い。この唇の色がほのかな希望を暗示するようにも思える。不思議な魅力ある絵である。
 ウィリアム・キラー・オーチャードスンという画家の「ささやき」という作品もおもしろい。舞台のシーンのような構成で、登場人物の心理を象徴的に表現する。ジョージ・フレデリック・ワッツ「愛の力」は、古典的な雰囲気をもつ寓意的な作品である。嵐の海に遭難に瀕した男女が懸命に小舟を操っている。自然の猛威の前に人間の力は儚いのだが、この二人の愛の力が敢然と困難に立ち向かう。画面の隅にかすかに見える青空が小さくも確実な希望を象徴している。
 シャイム・スーティンは、ロシアに生れてフランスに渡り、フランスで活動したユダヤ系の画家である。マルク・シャガール、フェルナン・レジェ、アメディオ・モディリアニ、さらには藤田嗣治などと親交があったが、野性児のような特異な行動がめだつ人物であったという。Photo_2
  展示されている「つるされた鶏」(1925)は、ドイツ表現主義の影響を強く感じさせるような作風の絵である。
 神戸市立博物館の今回の展覧会では、160点もの作品が展示され、会場もずいぶん混雑して、鑑賞にはかなり疲れた。それでもとても充実したひとときであった。今から百年近くも以前に、まだ日本が西欧からは後進国としか認識されていないころに、こうして多数の、しかも名作とされる西欧美術品を、莫大な私財を投じて収集した松方幸次郎という人物に、あらためて興味をかきたてられた。

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