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彫刻大集合 兵庫県立美術館(3)

原有司男 など
  篠原有司男「モーターサイクル・ママ」(1973) がある。この人は、モーターサイクルに関わる作品が多数あるが、そのうちのひとつである。篠原有司男は、詩人の父と日本画家の母の子として昭和7年(1932) 東京に生れた。東京芸術大学に進学して、林武に師事して洋画を学ぶが、やがて中退して昭和35年(1960)「読売アンデパンダン展」で活躍していた吉村益信、赤瀬川原平、荒川修作らとともに「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を新宿ホワイトハウスで結成し、独自の前衛的な芸術創作活動を活発に行った。頭を「モヒカン刈り」にして、週刊誌のグラビアに掲載され、またテレビにもよく登場して有名となった。昭和39年(1969)、ロックフェラー三世基金の奨学金を得て、妻子とともに渡米しニューヨークに在住した。Photo
  そこでゴミ置き場から拾い集めた段ボールで制作したのが、この作品である。デフォルメされているが、いかにも高速でぶっとばしそうなバイクに乗っている人物は、半身が虹色の服を着た男性、半身がグラマラスでエロティックな裸体の女性である。男性が虹色の服を着ているのは、ゲイを現すという。当時はアメリカでも、現在いうところのLGBTは認められておらず、こうした異端的な人物を取り入れて、体制批判をしているようだ。
  内田晴之「静止 82-1」(1982) というおもしろい作品がある。見掛けは重量感がある金属の直方体が2つ、実はアルミ製でおそらくは軽量だろう。ひとつの直方体の上にもう一つの直方体が乗っかり、これがほとんど接合面積がない突き合わせで繋がっている。実は、空洞のアルミ直方体のなかに強力な永久磁石が内蔵され、その磁力の斥力で浮かんでいて、非常にあやうい静止が表現されている。実際、この地で地震が発生したとき、上側の直方体は、ゆっくり振動していたそうである。単純そうに見えて、実に奇抜な作品である。
  以上の他にも、いくつか興味深い造形があった。細部を省略したヴォリューム感で暖かみを表現するヘンリー・ムーア「母子像」(1978) と、その長年の親友であるというバーバラ・ヘップワースの「曲がった形」(1961)、鋼線と不織布で構成され風によってゆらゆら動くモビール彫刻を連作している新宮晋、などなどはこれからも是非作品を鑑賞したい。
小規模な企画展だが、私にとっては新しい発見があり、たのしい鑑賞であった。

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