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ボストン美術館展 神戸市立博物館 (8)

版画・写真
Photo
 ウィンスロー・ホーマー「八点鐘」(1887)は、エッチングの精緻な描写で、海上で船の位置を測定する二人の船員を描く。どうやら海は時化ていて、緊迫感漂う画面となっている。八点鐘とは、甲板当直の交代時刻を、鐘を8回連打することで伝えるのだそうだ。交代の意味から、死者に対する別れの追悼の鐘として鳴らされることもあるともいう。エドワード・ホッパー「線路」(1922)は、線路のカーブの脇にたたずむひとりの男の姿を暗い画面で描く。アメリカで開発が進展し経済成長が目覚ましくなり、豊かさが広がりつつあったなかで、それでもそこに生きる個々の人間は、孤独や絶望を感じることもあった、ということの表現のように思える。同じエドワード・ホッパーの「機関車」(1923)は、解説によると、当時版画作品では、微妙な色彩やトーンの導入、台紙の繊細な色目の選択が流行していたが、エドワード・ホッパーは敢えて単純な純白の紙の上に、真っ黒の墨で版画を制作したのがこの作品だという。とくに精緻に描き込んだわけでもないようなのに、金属光沢で重量感のある機関車が有無を言わさず力強く突き進む様子が伝わる。新興国アメリカのパワーの象徴のようである。Photo_2
 アンセル・アダムス「白い枝、モノ湖」(1947)がある。かなり大きな樹木の枯れ枝がすっかり白くなって、まるで白骨のような相貌となって、湖畔の荒れた岸に打ち上げられている。湖の様子も天候のせいなのか、なにかあやしい不穏な雰囲気に包まれている。解説に「時間の消滅」とあるが、そのように思えないこともない。なにか理由のわからない不条理の表現のようにも思える。
 ここでの展示は、豊かさの陰にある孤独、不安、絶望などの負の側面を訴える作品が多いように感じた。

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