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北岡伸一『国連の政治力学』中公新書

 10年余り前でまだ企業で働いていたころ、興味をもつて新刊書として購入したものの、いろいろ取り紛れて放置してしまった。本棚を整理しているときに見つけて、遅ればせながら読んでみた次第であった。
 私たち日本の一般大衆にとって「国連」の印象はあまり芳しいものではない。常任理事国という特権的な5か国があって、大事な案件に限ってたいてい中国やロシアの拒否権で望ましい行動はできない。人権委員会というのがあって、韓国や中国の暗躍で、クマラスワミ報告などという理不尽な日本を貶める声明が出る。日本にとって害はあっても益がほとんどないように思えるのに、分担金は世界でもトップレベルに近い。
 最近は存在感が薄いけれども10年ほど前までは、小沢一郎氏が「国連中心主義」を提唱して、メディアでもてはやされたりしていた。ほとんどウンザリという印象が強かった。
 しかしこの本で、国連に自ら飛び込んで、前向きに国連のため、日本のために働いた第一級の政治学者の体験にもとづく国連論を読むと、私たちももっと国連に対してまじめに向き合わないといけない、という気持ちになった。
 世界に200ちかくに達しようとするほどの数の国家があり、巨大国も微小国も、豊かなくにも最貧国も、みな同じ発言力を担保されている組織であるがため、理念的には理想的、現実にはほとんで決定できないという深刻な事情を、冷静に受け止めて、それでも世界中のどの国ともコンタクトできる貴重なルートであることを、しっかり強かに活用することが大切であることを思った。
 机上で、あるいは頭の中だけでの議論ではなく、この本のような最前線の実務体験に基づいた論考を、今後もつぎつぎに出版していただきたい。

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