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Yuval Harari,"21 Lessons for the 21st Century"(11)

10.テロリズム Terrorism
 少なくとも死者数という点から見る限り、テロの被害者はごく少数にすぎない。世界全体のテロによる死者は2.5万人(主に中東)である。これに対して事故死は125万人、糖尿病による死者は350万人、大気汚染による死者は700万人である。
 テロの目的は、軍事的弱小者が大勢のひとびとに恐怖を与えて、小さな実害で大きな脅迫効果を狙うところにある。
 中世の国家と異なり、近現代の国民国家は明確な統治領域に対して、国民の安全を厳正に護ることが義務であり使命であり、支配の正当性の源泉となっている。このため国家は強大な軍事力・警察力を持ち、国家の静謐を破る者に対して全力を挙げて殲滅しなければ国家統治の正当性が維持できない。この結果、政治的暴力を抑え込むことに成功した、近代国家としてより完全に近い国ほど、テロリズムにたいして弱い、というパラドックスがある。
 テロは、その目的にてらしてテロ被害を受けた国が大きな反撃をすることを期待しているのであり、戦争を引き起こすことができたならテロは大成功なのである。したがって、テロに対する制裁・防御は、①テロリストのネットワークを密かに破壊する、②国家側とくにメディアは大げさに騒ぎ立ててはならない、③ひとりひとりの国民の恐怖心(=想像力)をコントロールして、心理的にテロリストから解放をめざすこと、が重要である。
 最近は核兵器の拡散の問題にも関連して「核テロ」が話題になっている。テロリストが核・サイバー攪乱技術・生物兵器など、広範な被害を引き起こす能力を持つと、これは在来のテロと同じようには考えられない。
 いずれにしても、われわれはテロに過剰に意識し反応することより、もっと重要なことに着手すべきである。

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