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「寿 初春大歌舞伎」大阪松竹座

 今年の初春大歌舞伎を、家人とともに大阪松竹座で観た。午前の部で、11時開演、3時半終演である。Photo_20200117063401
 最初の演目は「お秀・清七 九十九折」である。原作は明治10年生まれの歌舞伎脚本家大森痴雪というから、明治・大正期の作品のようである。作品の背景は幕末の混乱期で、諸家御用達を勤める大店である木谷屋が、勤皇派に金を貸したことで武家から厳しく咎められるところを、木谷屋の主人に大恩を感じる腕利きの手代清七が罪を一身に背負って失踪した。その清七が5年後に木谷屋に帰ってみると、許嫁の木谷屋跡取娘お秀には、武家の姻戚から養子が来ており、主人から300両の手切れ金を受け取ることになった。落胆した清七は、偶然お秀とうり二つの芸者雛勇と出会い、雛勇の家に数日間滞在して泥酔するが、そこへ雛勇の男たる力蔵が現れ、清七の金を狙う、というお話し。最後は清七が力蔵と雛勇の二人を切り殺してしまう。清七を幸四郎、力蔵を愛之助、そしてお秀を壱太郎がそれぞれ演じている。金に翻弄される人間を描くが、やりきりない、救いのない物語である。
 ふたつ目の演目は、「大津絵道成寺 愛之助五変化」である。河竹黙阿弥の作で、大津絵の題材になる藤娘・鷹匠・座頭・船頭・鬼がつぎつぎに現れて、その5人の人物をひとりの役者が早変わりで演じ、常磐津で舞踏するものである。最初の口上では、新春の祝詞に加えて、今年2020年のトピックとして東京オリンピックが登場し、続いてスポンサーによる地元産業の広告宣伝口上が入り、お正月らしい華やかな雰囲気を醸し出している。愛之助もいまや看板を背負う歌舞伎役者となり、踊りも達者である。
 最後は、「艶容女舞衣 酒屋」である。元禄時代に実際にあった茜屋半七と島の内の遊女美濃屋三勝の心中事件を題材に、竹本三郎兵衛・豊竹応律が浄瑠璃として合作した作品で、安永元年(1772)大坂豊竹座で初演されたという。大坂で酒屋を営む茜屋半兵衛の息子半七は、お園という妻がありながらも家に寄り付かず、女舞の芸人三勝との間にお通という子どもまでもうけるが、三勝をめぐって名うての悪人今市善右衛門と諍い殺害してしまう。そんな半七だが、女房お園は半七を一途に愛する。お園を扇雀が、半七とお園の父宗岸を鴈次郎が、そして三勝は藤十郎の予定であったが体調不良で扇雀がお園と二役で演じていた。お園が半七を思って苦悶するシーンが山場なのだが、今回は謡の声がいささか不明瞭でよく聞き分けられず、私には場面がよく理解できなかった。
 率直な印象としては、ふたつ目の大津絵道成寺はお正月らしい華やかな舞台であったが、九十九折と艶容女舞衣酒屋は、いささか物語が暗くて、お正月の演目としてはふさわしくないように思った。

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