「ゴッホ展」兵庫県立美術館 (5)
印象派に学ぶ 印象派の画家たち
ゴッホは、彼独自の視角から印象派の作品を眺め、独自にさまざまなことを学んだ。
カミーユ・ピサロ「エラニーの牛を追う娘」(1884)がある。ピサロについて、ゴッホはテオに「ピサロが言っていることは本当だ。色を調和させたり、または不調和にすることで生まれた効果は、思い切って強調しなければならない。」と手紙に書いている。
クロード・モネ「クールプヴォワのセーヌ河岸」(1878)が展示されている。モネにかんしては、友人の画家リヴェンスに宛てた手紙に「アントウェルペンでは、僕は印象派が何なのかすらわかっていなかった。今や彼らの作品を見てきて、その一員ではないにしても、印象派の絵のいくつかに大いに感服している。例えばドガの裸婦やクロード・モネの風景画なんかがそうだ。」と記している。 このころゴッホは、彼にとってもうひとり重要な画家に出会った。アドルフ・モンティセリである。この展覧会でもモンティセリの作品が4点展示されているが、極端な厚塗りでまるで油彩絵具を盛り付けて形成したレリーフのようである。カンバスを少し曲げると、すぐにメリメリと音を立てて割れて崩れ落ちそうに思える。ゴッホはとくに画家生活の後半で、油彩絵具の厚塗りが有名であるが、彼の前にこういう先達が存在したことがわかった。

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