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兵庫県立美術館「超・名品展」

 新型コロナウィルス肺炎感染予防のため、4月初旬から臨時休館していた兵庫県立美術館が、6月初めからようやく一部制限付きで開館した。入場希望者は原則前日までにネットで予約して、制限人数などを勘案して入場を認められた者のみが割り当てられた決まった日時に入場する、というものである。
 さらに今回鑑賞する展覧会は、当初4月11日~6月7日のまる2か月の会期を予定していたのが、臨時休館のために6月1日~7日の7日間のみと大幅に短縮となった。そんな事情なので、私も鑑賞が可能かどうか懸念したが、結果的には6月2日午前11時から入場することで入場が許されて、晴れて久しぶりの美術鑑賞となったのである。
 展覧会の内容は、兵庫県立美術館の前身たる兵庫県立近代美術館が開館した1970年から今年が50周年になることを記念して、日本近代美術の作品を明治維新・開国の1870年から兵庫県立近代美術館開館の1970年までの100年間について、それぞれの時代を代表する作品を100点余り選択して展示する、というものである。明治維新を経てわが国に西洋絵画が入ってくるようになり、美術界も大きな変革期を迎えた。その後も、二度にわたる世界大戦、ロシア革命などの大きな歴史的事件を経て、美術も変遷を遂げてきた。その一端を回顧してみようというものである。

明治時代の絵画作品
 最初は、明治初年から明治終わりまでの時代で、大きなインパクトは「油彩」の導入と、留学も含めた若手画家による西洋美術の習得であった。Photo_20200605062402
 高橋由一「豆腐」(1877)は、豆腐というきわめて日常的な対象を真剣に描写して、新しい絵画技術たる「油彩」の写実的描写能力を実証して啓蒙しようとした作品であった、との説明がつけられている。明治10年当時のわが国は、まだ西南戦争の混乱もありおちついていなかったから、そんな環境を考えるとよく描いたものだとも思う。焼き豆腐と別名「お稲荷さん」とも呼ばれる厚揚げが丁寧に描かれた絵は、まさにふさわしい場所として香川県金毘羅宮に奉納・保管されている。高橋由一の作品は、私は鎌倉に住んでいたころ横浜に縁の深い画家ということもあり、何度も多数観たが、この「豆腐」は初めてである。たしかにいじらしいほど真剣かつ丁寧な描写である。
Photo_20200605062501  小林正太郎「濁醪療渇黄葉村店」(1889)という作品がある。高橋由一「豆腐」より10年余り後だが、にごり酒が渇きを癒してくれる、そんな田舎の小店、といういささか隠逸詩人の心境のような題がつけられている。この人は政治論議を好む実直な教員として生活していたという。それが最近になってこの絵が発見されて、一気にしっかりした描写力のある自然派の画家でもあったことが判明したのだそうだ。なんとなくバルビゾン派の作品を追っかけるような絵だが、たしかに技能は充分優れていると思う。

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