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ポーランドの映画ポスター展 京都国立近代美術館(5)

ポーランド以外の各国の映画のポスター(下)
 「昼顔」(1970)は、世界的に大ヒットしたカトリーヌ・ドヌーヴ主演の名作である。裕福なのに興味から時間限定の娼婦となったヒロインを、娼婦としての時間のみを残す時計の文字盤と、眼を隠す顔として描いている。この映画の魅力を暗示する表現として、ひとつ納得させるものがある。Photo_20200703080801
 「暗殺の森」(1970)は、この展覧会自体のポスターに採用されたベルナルド・ベルトルッチ監督作品である。イタリア、フランス、西ドイツの3か国の共同制作の映画で、原作の原題は「順応者」で、ポスターの下段にポーランド語で書かれている。ファシストの命令に徹底して従順にしたがって反ファシストの夫妻を暗殺する主人公は、幼い時に同性愛者の相手を間違って殺したトラウマを背負っていた。後にその事件の真相を知り、さらに命をかけたファシズムが敗戦で崩壊し、とうとう自分自身の崩壊を迎えるという物語である。ポスターは、自分自身の顔と頭脳をかたくなに封印した主人公の男の絵である。反ファシズムは社会主義政権のモットーとされていたから、このような表現はポーランド国家にとっては受け入れ得るものなのだったのだろう。外からシニカルに見れば、社会主義ポーランド自身がこのような「順応者」を、国民に強いていたのであった。ポスターのデザイナーは、実はそれがわかったうえで、皮肉としてこの作品を描いたのかもしれない、とも思いたい。
 全体の作品数は、会期中の入れ替え作品がいくらかあったため80点余りで、私の鑑賞可能のキャパシティからみてちょうどよい規模であった。精神医学的、心理学的には、非常に繊細で微妙かつ複雑なテーマを扱いながら、かなり思い切った斬新な表現を積極的に取り入れていて、私の当初の期待を大きく上回る興味深い、印象的な鑑賞となった。あわせてポーランドの戦後には、興味深い映画作品がかなりありそうなことも、あらためて知ることになった。私はこれまでポーランド映画は、ごく少数しか観ていないので、これを機会に積極的に鑑賞するようにしたいと思った。

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