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John P. Carlin "Dawn of the Code War"(5)

2.Code Warの様相
 Cyberattackは、本来的に非対称的な脅威であり、もっとも弱いところをつけこんで密かに攻めてくる。また、hackerというコトバも広すぎて適当でないかも知れない。たとえばシリコンバレーの大企業Facebook本社の所在地は 1, Hacker Way, Menlo Park, CA である。
 現在のアメリカのCode Warの敵Adversariesは、中国・ロシア・イラン・北朝鮮の4か国である。そして非国家の敵AdversariesとしてISILやSyrian Electronic Armyなどが加わる。これらのCyberattackに対して、Security問題を解決することなどは不可能だとネットに関わらない人が言うが、所詮もとはヒトがやることであり、継続性persistence、資源resource、努力workを傾注すれば、かなりの範囲で対処できるのである。そして容疑者は、解決に協力したり裁判したりすることを拒否するので、だいたいの見通しはつくのである。
 ハッカーは、スーパーマンではなく普通人である。したがってオンラインの上に、かならず何らかの弱み、失敗を残す。不注意、ひとときの忘れ、気づかない足跡footprint、指紋fingerprintなどである。パスワードの再使用、古い技術の再使用、急いでの手抜き、さらに自ら使用したmalwareそのもので自分がバレてしまうという場合さえあった。
 全体として、簡単ではないことを前提の上で、多くのCyberattackは防ぎ得るし避け得る、そして起こってしまったときは、われわれは悪者を探し出すことができる場合が多い、というのが8年間この問題に取り組んだ著者John P. Carlinの意見である。
 Kissingerは「国境を越えて人々をつないでしまうインターネットは、もはや新しい政治だ」という。Carl von Clausewitzがもし生きていたら「インターネットは、政治のもうひとつの方法だ」と言ったのではないだろうか。
 オンラインの戦闘はリアリティにおいて、ヴァーチャルと現実との差が小さい。地政学的にはサイバースペースは現実世界の延長である。したがってそれぞれの国家は、現実世界と同様の行動をする。すべてそれぞれ個性的に、ひそかにデータを盗みだす。
(1)ロシア
民主主義がロシア存続にとって脅威だとみるプーチンは、ロシアと西側との闘いがゼロサム・ゲームだと考えていて、西側民主主義の縫い目につけこもうと奇妙な仕掛けに専念している。
アメリカのもっとも古い敵ロシアは、インターネットのなかで、最初はかなりおとなしく、政治的目的達成のための国家的利益となる情報獲得を目指して潜水艦が水面下で探るように活動していたが、うまく行かなかったようだ。そこで、プーチンの下で育てたスパイ=諜報将校を半ば犯罪的行動に動かすようになったのが現在の状態である。あたかもマフィアの政権のように、政治と犯罪とが一体化した行動となっている。
(2)イラン
過去10年間ほど、アメリカのもっとも危険な敵がイランであった。ペルシア湾でアメリカ大型艦艇に水雷攻撃するなど、アメリカにあからさまに敵対してくるヒズボラを、はたしてイラン政府がどの程度関与し制御しているのか、不明な部分が残っている。イランは国際的制裁を避けるために、種々のオンラインの代理人を使って(実戦でヒズボラを使うように)サイバー攻撃をしかけてくる。
(3)北朝鮮
10年以上にわたってレトリックの闘いを仕掛けてきて、ときに破滅的になりながら稚拙な自惚れとプライドを誇示して土壇場で降りるということを繰り返してきたのが北朝鮮である。リーダーのメンツ維持とカネと盗みを目指して、オンラインではうるさい破滅的な行動でアメリカに仕返しを企んでいるが、北朝鮮は通貨の不足が甚だしく、軍と諜報に対して、成果に応じて報酬を与える(かろうじて与えうる)との方針であり、外国から盗むか奪うかしない限り国が食べていけない状況にある。ここでは偽金も大切なのだろう。
(4)中国
中国は、オンラインでは騒々しく誰にも気兼ねなしに専ら略奪するが、並行して緻密かつ注意深く破滅に至るような攻撃は避けてきた。相手国からその不正行為を指摘・暴露されると当惑することもあった。これまで中国は、経済力と軍事力の少しでも速い向上のために、目的を絞って技術と情報を盗んできた。また、自国内では内政安定化のために、人権活動家を自国内で監視・調査することにも大きな努力を傾注している。

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