2020年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フォト
無料ブログはココログ

« ミナ ペルホネン/皆川明 つづく 展 兵庫県立美術館(下) | トップページ | John P. Carlin, Garrett M. Graff, "Dawn of the Code War"(1) »

安倍首相退任にともなう次期総裁選をめぐって

 安倍首相が、持病の悪化で8年近く勤めた内閣総理大臣を辞職する宣言をしたため、次の自民党総裁、つまり首相が誰になるのか、メディアはそれだけでほとんど持ちきりになってしまっている。
 安倍首相は辞任を表明したと同じ会見で、コロナ対策の一環として感染者、より正確にはPCR陽性者の扱いについて変更することを告げた。これはこれまで第2類(実際には一部第1類に準ずる)の区分となっていたのを第5類に変更して、医療機関の余分な負担を緩和する、というもので、それなりに重要なことであるが、こちらの方への関心は低いようだ。「コロナ騒動」なるものは、メディアが中心となって人々を必要以上に脅えさせているが、そのメディアも本心では「コロナ騒動」を、さほど重要と考えていないのかも知れない。
 ともかく次期自民党総裁候補には、石破茂氏、岸田文雄氏、菅義偉氏の3人が名乗りをあげた。
 石破茂氏は政策について、「納得と共感の政治」をスローガンとして、①東京一極集中を是正するため、専任の担当閣僚を設置し、地域分散を妨げる要因の検証と対策を講じる、②持続可能で安心できる社会保障制度をつくるため「幸せ実現国民会議」をつくる、③自然災害や感染症などの対処のため「防災省」をつくる、④経済格差の是正のため、政策を総動員する、などが挙げられている。
 岸田文雄氏は政策について、「公正でやさしい政治」をスローガンとして、①子供の貧困や所得格差にともなう教育格差の問題に取り組む、②成長戦略の検討に本格的に取り組む、③戦後日本が大事にしてきた基本的な価値観を共有する国々と協力しながら、環境・エネルギー・保険・核軍縮など平和について旗を振り議論をリードしルール作りを先導する、④国民の協力を得られるリーダーを目指す、などがあげられている。
 菅義偉氏については、基本的に安倍首相の路線の継承という認識である。
 石破・岸田両氏の「政策」については、それぞれそれなりに「ゴール」は示そうとしているが、「どうやって」という具体的な行動の中味の部分があまりに貧弱である。かつて田中角栄は「日本列島改造論」を掲げ、比較的最近でも小泉純一郎は「郵政改革」を掲げ、いずれも「どのように」をかなり具体的に提示していたので、その内容の是非はともかく、政策には迫力があった。「こんな世の中にしたい」と考えることは必要だし良いことだが、それは普通の民衆でもできる。政治家とくに首相をめざす人には、具体的な「実現への道筋」を提示してほしい。厳しく言えば、安倍首相長期政権の8年近くの長い間、具体的な代案を真剣に考えていなかったのか、と思う。
 とくに石破氏のように、問題に対して行動計画が未定のままに専任の新しい組織や人事を割り当てるなどというのは、まったく本末転倒で、新しい無駄の創生になる可能性が大きく、賛同しかねる。地方創生担当大臣を経験して、他にもいろいろ思慮深そうな石破氏には、私も期待していたが、あまりに抽象的で内容の乏しいことに失望した。
 このたびの首相交代は、病気による任期途中のものだから、菅氏が政策を継承するというのは、至極妥当である。これを大きく変更するのであれば、早急に解散総選挙で民意の負託を得る必要が当然あるだろう。
 現在わが国には、政権をきちんと担当できる野党が育っておらず、政権与党にも弛緩が発生する可能性を常にはらんでいる。今回の総裁選をみて、与党内でさえ次の総裁を狙う候補が、いざというときに具体的なプランを提示できない、その意味で大いに怠慢であった、という事実をみたように思う。

人気ブログランキングへお気に召せばクリックください

« ミナ ペルホネン/皆川明 つづく 展 兵庫県立美術館(下) | トップページ | John P. Carlin, Garrett M. Graff, "Dawn of the Code War"(1) »

時事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ミナ ペルホネン/皆川明 つづく 展 兵庫県立美術館(下) | トップページ | John P. Carlin, Garrett M. Graff, "Dawn of the Code War"(1) »