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John P.Carlin "Dawn of the Code War"(43)

第9章 Fake News
9.2.シリア電子軍との闘い
 ISILへの対抗策が難しいひとつの要因が、オンラインでさまざまな様相で闘っていたシリアの存在であった。シリアのアサド政権を支援する体制派に、シリア電子軍Syrian Electronics Army (SEA)というハッカー集団があった。SEAは、すでに数年にわたって活動し、シリアの民主化運動に対してインターネットを介して攻撃していた。当初はFacebookを主な道具として、そのなかでどのようにしたらFacebookの他のページをシリア・アサド政権支持のコメントで埋め尽くすことができるかを拡散した。2011年には、ホワイトハウスに、続いてABC News, アメリカ財務省US Department of Treasuryにも侵入した。侵入先のネットワークサービスを停止させることもあった。アサド大統領は「Syrian Electronics Armyはヴァーチャルリアリティの中の、本物の軍隊だ」と賞賛していた。ただ、アサド大統領とSEAの関係は正式には発表されておらず、SEAは政府には属していないと表明していた。
 アサド政権を支援するSEAに対して、アサド政権に反対する無名のハッカー集団があって、アサド政権側のウエブサイトの破壊を図った。彼らはSEAと小競り合いを繰り返した。やがてSEAは、Facebookを離れて草の根運動を装うインターネットでの暴力的運動に転じた。2011年9月にはハーバード大学のネットワークに侵入し、ホームページを破壊してアサド大統領の写真を表示し「SEAはここにいる」とハッキング宣言した。続いてWashington Post, Reutersにも攻撃をかけた。アレッポから敗走した反政府軍のリーダーにインタビューしている、というFake Newsの表示もした。ニュース・ウエブサイトは、SEAが好んで攻撃する対象であった。シリアをめぐるさまざまな勢力の抗争は、オンラインでのプロバガンダ戦争に反映された。
 これらのネットワークがSEAにハッキングされた原因の重要なひとつが、二要素認証two-factor authenticationの不採用であった。つい煩雑さを厭って避けてしまいがちだが、二要素認証はかなり有効な対抗手段であることが判明している。
 SEAのハッキングには、国連の人権委員会を偽装するものもあり、SEAの活動は執拗persistence、強靭resilience、高度化sophisticationが特徴である。

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