Niall Ferguson,”The Square and the Tower”(12)
6.第一次世界大戦
(1)第一次世界大戦の開戦
この戦争がはじまったのは、1815年のウィーン体制が崩壊したからであるが、問題はなぜウィーン体制が崩壊したのかである。1871年ドイツが統一を果たすと、ドイツの外交は卓越した外交家であったビスマルクに一任された。彼は、ロシアがフランスに接近しすぎないように、ロシアの外相ニコライ・ジルスと独ロ秘密再保証条約を結んで、密かにロシアのバルカン半島進出を容認した。いわゆるビスマルク体制はこれで完成し、彼が任務に就いている間は平穏であった。しかしビスマルクの退任後この条約が更新されず、ヨーロッパ各国同士の対立・衝突が増加して、ついに第一次世界大戦に突入した。
セルビアのテロリストがオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子を暗殺すると、ドイツはフランスに攻撃を仕掛け、ベルギーの中立を侵害したので、ドイツが勝ちすぎることを憂慮したイギリスが参戦してきた。結果的には、当時世界最強であったイギリスの参戦が勝敗を決した。

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