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コロナ騒動と緊急事態宣言

 昨年の1回目に続いて、今年1月7日から実施された新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言が、3月21日に停止された。その停止に先立ってまたもPCR検査陽性者の増加傾向がみられ、第4波のさらなる緊急事態宣言の話題が出ている。
 今回も、緊急事態宣言の影響は決して小さくはなく、多数の中小飲食店が閉店に追い込まれ、閉店や廃業にいたらなくても大きな損失と精神的負担を訴える業者が多数発生した。関連して、昨年夏ころから、確実に自殺者が増加したとも伝えられている。
 前回も、そして今回も、世論調査なるものによると、多くの国民が緊急事態宣言を止むなし、必要な措置と考えているという。しかし、緊急事態宣言はもし感染拡大を抑止する効果があったとしても、経済的あるいは精神的に、確実に被害者を発生する有害な側面をともなう措置でもある。
 私は、確実に実害をともなう手段である以上、発令する側である政府や都道府県行政府は、緊急事態宣言という方法の効果をできるだけ正確に評価する努力が必要だと考える。あわせて、私たち国民は、緊急事態宣言という過激な手段が、ほんとうに有効で必要なものであるのか否か、しっかり理解しなければならない。
 昨年の1回目と、今回の2回目の経過を虚心坦懐にみつめるならば、素朴に考えて緊急事態宣言の効果を疑うことが自然である。1回目も2回目もともに、PCR検査陽性者新規発生数のピークを過ぎてから発令され、日をおかずすぐにPCR検査陽性者数が減少に転じている。新型コロナウイルスは、感染してからPCR検査陽性検出まで2週間ほどを要するというが、そうであるなら、緊急事態宣言を発動してすぐに陽性者の数が減少するのは、緊急事態宣言の効果としては、説明できない。さらに第2回目は、全国一律ではなく11都道府県のみを対象として実施された。そのなかでPCR検査陽性者数の推移の傾向は、緊急事態宣言発令の地域も、そうでない地域も、ほとんど同じような推移を示している。緊急事態宣言の有無による有意差が認められないのである。またヨーロッパの例をみると、感染拡大が日本などと比べて桁違いに多いなかで、当初よりロックダウンのような厳しい対応を一貫して取ってこなかったスウェーデンが、当初こそ死者数が多いのではないか、として対応を批難されたこともあったが、1年以上の推移をみると、イギリスやフランスよりもPCR検査陽性者数と死者が少なく推移している。ここでもロックダウンなどの対応方法の有効性が疑われるのである。
 今回の緊急事態宣言停止の寸前になって、またもPCR検査陽性者数の漸増傾向がある、というのも、緊急事態宣言そのものに効果が無いと仮定するならば、ごく当然のことである。
 ほんとうは、緊急事態宣言のみでなく、「三密」という標語も、妥当性を再評価すべきである。アルコール飲料をともなう飲食の場でクラスターが報告されている一方で、世界的にみても、満員の通勤電車、遠距離列車、航空機でのクラスターの報告はないようだ。
 最近になって、「変異株」「変種ウイルス」が大きな話題になっているが、ウイルスは、本質的に変異するものであることは、当初から広く知られていたことである。常識的に考えて、変異現象そのものは、程度問題をさておいて、ウイルス感染が話題になった当初から存在していたはずである。「不可解な感染拡大」という思い込みから、理由付けにできるためか、いまごろ慌てて大きな話題となっていることが、ほんらい不自然であると思う。ワクチンも治療薬も、変異のために効果が変わる、効き目がなくなるという可能性は、はじめからわかっていたことである。
 いずれにしても、感染が収まらず拡大したりする以上、決して安全でも安心でもないことは明確であって、私たちはウイルスを恐れながら丁寧に対応しつつ生活していくことは必要である。ただ感染の事態の詳細は、いまでもわからないことが多いのであり、これまで経験したことの経緯・経過を貴重なデータとして、継続的に観察し考察して、今後に備えるためにできるだけ科学的に評価をアップデートして、不自由でも窮屈でもやるべきことは励行すべきである。たとえばマスクを必ず着用する、丁寧な手洗いを励行するなどは、私たち全員が、がまんしてでも継続しなければならない。しかし実害を確実にともなう対策、少なくとも緊急事態宣言は、その効果をしっかり検証して、納得して行うべきである。
 これまでのところ、緊急事態宣言の効果についての検証も納得しうる説明もない。メディアが感覚的・感情的に恐怖を煽り、喚きたてることで国民がなんとなく緊急事態宣言をやむを得ない、必要だと思ってしまうのであれば、それは由々しい事態である。私はそれこそ「集団ヒステリー」だと思う。先ずは、緊急事態宣言の効果と意義を真剣に考えて、議論していただきたい。

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