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H.R.McMaster"Battlegrounds",2020.9(20)

第2部 China
3.An Obsession with Control(支配への強迫観念):
The Chinese Communist Party’s Threat to Freedom and Security
(中国共産党の自由と安全への脅威
3.4.中国共産党の取り込みco-option、強制coercion、隠蔽concealment戦略
 凄惨な天安門事件は、中国共産党の国民掌握を一層強める結果をもたらし、その教訓を習近平は引き継いでいる。天安門事件は、ソ連の崩壊と同じタイミングでもあった。ソ連では、プーチンとSilovikiは、ゴルバチョフでは弱すぎると見た。ゴルバチョフは、折しも天安門事件の最中に、中国共産党40周年記念の祝賀のために北京を訪れていたが、ゴルバチョフの「すべての人々のためのソビエト」との考えが甘く、それがソ連の崩壊を招いた、と習近平たちも考えた。
 国内に向けては、「チャイナドリーム」と呼ぶスローガンが、これまでにない経済成長と、大国の復興への賛同と、国民の強い掌握(強い支配)をもたらし、また国外に向けては、中国の復興の物語が、中国の経済的、政治的、軍事的影響の急激な拡大を導いた。中国共産党の利益に沿うように中国国民、他国民、そして国際的組織を動かすために、中国共産党は取り込みco-optionと強制coercionを基本戦略としている。競争を回避するために党は意図・真意や行動を隠すことが多い。この取り込み・強制・隠ぺいconcealmentの戦略は、文化的、経済的、技術的、軍事的な努力にまで広範囲に及んでいる。この戦略を有効かつ強力なものとするために、アメリカと自由陣営諸国だけでなく、中国国民までもが中国共産党の野望への潜在的脅威とみすことが、中国共産党の政治・産業・学術・軍事などあらゆる面で、その本性となってしみついている。
 毛沢東以後は、国民を強力に支配するために、中国共産党は経済発展で国民を納得させようと邁進した。鄧小平以後の中国の経済成長は目覚ましく、すでに8億人を貧困から救い上げ、2億人以上の中間階層を生み出した。世界で第2位の経済大国・輸出大国になった。2000年代初めには、世界中のクレーン総数の過半数が、中国の急拡大する都市の高層ビル建設に投入されていた。党の目標は、2010~2020年の間に国民所得を倍増する、というものである。しかしこの成長率は持続できない。それは、中国共産党にとって新たな危機になる可能性が高い。
 1980年代以降、鄧小平たちは市場開放・開発、民営化を軸に高度成長を図ってきたが、習近平は今や、国営企業State-owned Enterprises(SOE)の強化に注力している。それは非効率で腐敗の源泉ともなるが、国民を掌握して党が経済を支配するためにはやむを得ないと考えているようだ。ハイエンドの製造業や急拡大しつつあるグローバル経済の要に食い込むためには、党の強力な指導が必須であると考えている。習近平は「より強い、最適化した、拡大する」国営企業を目指して、鉄道、金属、鉱山、造船、核エネルギーなどにおいて国家で最大の企業を実現するために吸収合併を進めている。

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