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H.R.McMaster"Battlegrounds",2020.9(18)

第2部 China
3.An Obsession with Control(支配への強迫観念):
The Chinese Communist Party’s Threat to Freedom and Security
(中国共産党の自由と安全への脅威)
3.2.習近平の野望
 習近平は、北京会談においても、歴史を選択的に最大限利用した。もちろん都合の良い部分を取り入れ、都合の悪い部分を排除して。習近平のこの態度から、彼と中国共産党の情熱と世界観と目標がよくわかる。紫禁城・人民大会堂・天安門広場の3つの場所を、我々に案内することで、中国の偉大さを誇示するとともに、彼らの意思を示したのだ。
 この3カ所訪問のとき、Matt Pottingerは、彼らにより同行を許されなかった。Matt Pottingerは、中国について知りすぎていたのである。習近平が伝えたかったことは、中国の偉大なる復興great rejuvenation of the Chinese nationである。紫禁城は、歴史的展望として「世界を従えて人類に偉大な貢献を果たしその中心となる」という意思を表現するのに絶好の場所である。かつて中国が政治的にも経済的にも世界の中心であった証拠であるこの場所を、再び構築するとの意思表示である。
 この紫禁城を建立した明帝国は、中国の全盛期のひとつとされ、航海士であった鄭和 Zheng Heは、コロンブスより半世紀前に7回の大航海で西太平洋とインド洋を制覇したという。彼の「宝の船」は、世界最大の木造船であり、彼らが知るかぎりの国々から献上品を持ち帰ったとされる。習近平は、その後の19世紀、20世紀が中国にとって異常な悪夢のような暗黒時代であったとする。ヨーロッパ諸国や日本の侵略を受けたのだ。そしてアメリカは世界を軍事的・経済的に圧倒した。中国が訴えようとしたのは、本来あるべき秩序の復興だというのだ。紫禁城は、外国人が中華皇帝の前にひれ伏し、献納物を差し出すべき場所なのだ。習近平は、訪問者に中国の優越性を認めさせ、中国の指導者が世界を支配することは当然で避けられないと思わせようとしていた。2008年の北京オリンピック開幕式からはじまった中国の復権の輝かしい宣言のための儀式として、アメリカ大統領夫妻を紫禁城に招待したのであった。これらは、アメリカ大統領とその一行のみならず、中国国民に対するプレゼンテーションでもあった。アメリカ大統領が献納物を持って参上しているかのように。それは、国内統治のためにも必須であった。
 この映像は中国国内と世界中に放送され、中国の自信を表現したが、半面ではそれは重大な危機の現れでもあった。独裁体制は、腐敗と反乱の源でもある。歴史的にも、中国歴代の専制国家は、常に内部の反乱と外部からの侵攻の的であった。このあと数か月の後、習近平は彼の支配が永久的になるよう制度を変えた。
 紫禁城は、建物の構造からして独裁者のためのものである。何重もの壁のなかに何重もの護衛兵が配置され、その奥深く玉座がある。独裁者は、ここで恐怖と心配を前提として決断をするのだ。私は、紫禁城の豪華さと、そこに住む支配者たちの脅えとの著しいコントラストを思わずにはいられなかった。
 我々は紫禁城のなかを歩き進みながら、習近平主席がますます強くなる大中国の変わることなき強き支配者を演じて、自信に満ちて見えることがわかる。しかしそれは張子の虎であり、その裏に深い憂慮と狂暴な圧政を隠しているのである。

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