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H.R.McMaster"Battlegrounds",2020.9(22)

第2部 China
3.An Obsession with Control(支配への強迫観念):
The Chinese Communist Party’s Threat to Freedom and Security
(中国共産党の自由と安全への脅威)
3.6.中国共産党の拡張志向:「冊封体制tributary system」と3つの基本方針
 中国共産党は、その思想・政治の方針を国内のみならず、周辺国、そして世界に拡げようとしている。中国共産党は、21世紀版の「冊封体制tributary system」を構築しようとしている。中国を宗主とする冊封体制に入れば、従属国は平和に体制内で生存できる、というわけだ。しかし実際に多くの国々が中国の冊封体制に取り込まれたら、それらの国々の自由は無くなり、繁栄は阻害され、安全も脅かされることになろう。中国は、虎視眈々と新しい冊封体制の実現を目指して邁進している。①Made in China 2025、②一帯一路One Belt One Road、③軍事・市民融合Military-Civil Fusionである。
 Made in China 2025は、中国を科学・技術で独立にするプロジェクトで、中国共産党は中国国内にハイテクの独占企業を創設し、外国の企業・組織から知的財産を盗み取り、あるいは移転を強制して奪い取る計画である。そのために国営企業State-owned Enterprises(SOE)と民間企業が協力して、党の計画を遂行する。中国で製品を販売する条件として、技術移転を強制することは常套手段である。これらの企業は、中国共産党ときわめて親しい関係にあることが特徴である。このシステムに乗った外国企業は、ときに短期間に大きな利益を享受する。しかし契約により技術や製造ノウハウを中国側に移転すると、その外国企業は市場シェアを失い、入れ替わって中国側企業が世界市場に出て行くことになる。Made in China 2025は、外国の科学・技術の蓄積を最大限利用して中国を利する手段のひとつである。
 一帯一路One Belt One Road Initiative(OBOR)は、中国の国際的復興China Dreamを達成するという真の目論見を隠しつつ、中国中心の世界をグローバルに構築しようとする動きである。インド太平洋とユーラシア大陸を横断する新しい巨大なインフラストラクチャーを実現するとして、$1T(110兆円)以上の投資を用意するものだ。このイニシアティブは、当初は経済成長を希求し進んだインフラを必要とする関連地域の国々に熱狂的に受け入れられたが、2018年ころまでにそれらの多くの国々にとって、中国共産党の投資が多くのヒモ付きであり、その債権の危険性と不公正に気づくようになった。これは債務国を属国化して中国共産党のもとにMiddle Kingdomを構築しようとする企みなのである。建設された輸送網は、エネルギー原料を中国へ運び、製品を中国から諸国へ運ぶ新しい強力なルートとなって、中国を潤す。この一帯一路OBORこそは、新しい植民地政策であり、冊封国への組み込みと強制をもたらす遠大な計画なのである。実際は債権により相手国を縛り付け、冊封国とするものだが、習近平はそれを隠して「ウインウインの関係」と言いつのっている。実は、中国企業は冊封国から営業利益を得る、中国銀行は高い利息を冊封国から稼ぐ、中国政府は冊封国の経済と外交に強い影響力を獲得するのだから、中国だけの一方的なTriple Winsなのだ。すでにこの「債務の罠」に捕まった国が、スリランカ、モルディブ、ラオス、パキスタン、マレーシアなど33か国にものぼっているのだ。

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