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H.R.McMaster"Battlegrounds",2020.9(17)

第2部 China
3.An Obsession with Control(支配への強迫観念):The Chinese Communist Party’s Threat to Freedom and Security(中国共産党の自由と安全への脅威)
3.1.緊急を要する対中国政策
 2017年11月8日、私は初めて中国を訪問する機会を得た。トランプ大統領一行に随行したのである。その約9か月まえに私は補佐官に就任したのだが、そのときすでに中国問題はアメリカ政府の最優先課題であり、トランプ政権としても最重要テーマであった。
 そのころ中国は、日本の安倍首相がトランプ大統領就任の3週間後に訪問して大成功したのを見て、熱心にトランプ─習会談を求めていた。オバマがトランプに最大の緊急的大問題として引き継いだ北朝鮮の核・ミサイル問題を中国は計算に入れていて、北朝鮮に米中としてどのように対処すべきかが話題となるとみていた。
 1978年、中国は市場経済導入と解放路線を宣言し、アメリカとその同盟国は中国が経済発展したら、自由化し、オープンで国際法に沿った経済活動と政治的行動をするものと期待していた。そのため、アメリカと同盟国は、中国を経済的にも外交的にも懸命に支援し続けた。しかし40年近く経って、その期待は裏切られ、中国は独裁体制で閉鎖的な大国として、友好的な国ではなく、自由でオープンな国家・社会に対する重大な脅威に成長した。しかも、中国は自由陣営を利用して食いつぶして成長することを図り、中国中心のグローバルな国際関係・経済関係の構築をめざしている。アメリカにとっても、対中国政策転換の必要性は、近年のアメリカの歴史でも稀有な規模の重大な問題である。
 私自身は、これまで大部分のキャリアーをヨーロッパと中東に過ごしてきて、中国については知識が乏しい。そこで私は、NSCアジア担当シニアディレクターMatt Pottingerから多くを得ている。彼は、アメリカで学んだ後、北京と台湾に留学し、中国史、中国文学を学び、中国語に堪能な人材である。すでに中国を対象とするジャーナリストとして、Wall Street Journalなどで8年間の経験がある。そしてその能力を私の前任者であったMichael Flynnが見出し抜擢したのであった。
 2017年4月のMar-Largo Summitのときは、主なテーマは米中間の貿易・通商での中国側の不正をただすことであった。会談は不快なものとはならなかったが、中国はこれらのアメリカの指摘、要請は織り込み済みで、かつ対応しなくともアメリカが報復措置をしてくるとは考えていなかったようだ。
 しかし、その7か月後に我々が北京に着陸したときは、中国側では新しい方針が確立していた。中国は、もはやアメリカから支援を受けて成長するのでなく、アメリカと競争することを明確に示した。さらにアメリカは、中国共産党の方針の裏にあるイデオロギー、感情、野心の大きさを正しく把握できていなかったために、競争に敗北する懸念があった。1990年代以降のアメリカの中国政策は、ことごとく戦略的ナルシシズムstrategic narcissism、すなわち希望的観測・思い込みであった。中国が、アメリカの期待の通りにしてくれるとの甘い見込みであった。中国は、アメリカの支援を利用して、意図を隠しつつ国内への圧政を強化した。北京でのたった2日の滞在で、私は事態が緊急を要することをますます確信した。

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