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H.R.McMaster"Battlegrounds",2020.9(23)

第2部 China
3.An Obsession with Control(支配への強迫観念):
The Chinese Communist Party’s Threat to Freedom and Security
(中国共産党の自由と安全への脅威)
3.7.軍事・市民融合Military-Civil Fusion
 軍事・市民融合Military-Civil Fusionは、習近平の全体主義的性格をもっともよく現わしている政策であり、鄧小平の市場主義志向との違いが如実にわかるものである。
 要するに、国営企業であれ民間企業であれ、民間人であれ、すべては中国共産党の目指す方向に一致して行動することが強制されるのである。中国のNational Intelligence LawのArticle7に基づくもので、「中国のすべての組織と市民は、国家の諜報活動を支持し、支援し、協働しなければならない」という規定である。これにより、すべての中国人は常に諜報活動に加担することが求められている、という驚くべき、かつ恐るべき制度なのである。
 たとえば外国に留学している中国人留学生は、すべてスパイであり得る。アメリカの会社に勤務する中国人も同様である。2015年深圳Shenzhenに設立されたChina Radical Innovation100(CRI100)という施設は、「新しい国際協力による革新技術のモデル」と謳っているが、真相は海外で活動してきた帰国中国人が、海外の出先で盗み出した最新情報を集結するところなのだ。
 外国から先端技術分野の人材を招聘して、同様の効果を狙う制度もある。千人計画Thousand Talents Programである。ハーバード大学化学学科のCharlie Lieber教授は、月給$50,000、中国の武漢大学の開発プログラムの特別手当$1.5Mを得て中国で働き、FBIに偽証したことで逮捕された。アメリカのDuke Universityでアメリカ空軍の出資により実施された研究成果が、中国の人民解放軍にわたっていたという事実もある。
 中国のサイバー・スパイあるいはサイバーによる窃盗も猛烈であり、アメリカNSA元長官Gen. Keith Alexanderが「史上最大の富の移動」と言った窃盗も行われた。2016年だけで、$109Bもの窃盗が、サイバー犯罪で中国により行われている。中国人民解放軍は、アメリカやその同盟国から盗み出した技術を、超音速ミサイル、対宇宙衛星兵器、レーザー兵器、艦艇、ステルス戦闘機、電磁レール砲、無人兵器などの先端軍事力に応用している。
 中国は市場として大きいため、アメリカの民間企業に対して市場を餌にして接近することは常套手段である。アメリカの民間企業にとって、中国市場を失うことは避けたいという傾向がある。このため、アメリカ企業から中国への技術流出の抑止は容易ではない。
 中国では、政府や党に対して批判的な発言を、たとえばウエブを通じて発すると、社会信用スコアsocial credit scoreを直ちに下げられる。これは銀行の融資条件、不動産購入、保険の加入・保険料などに直接影響するのみならず、鉄道の切符購入などにまで響く。しかもその本人だけでなく、その家族・親族、さらに交友関係の人々までスコアが切り下げられる。連帯責任制なのだ。これは国民の人間関係まで損なうのはいうまでもない。予防のため、反政府的な友人や身内を内部告発することさえある。社会信用スコアsocial credit scoreとインターネットや広域監視システムとの結合は、強力な組み込みco-optionの武器となっている。
 アメリカやその同盟国のオープンさは、中国にとって付け込み易さにもなる。自由陣営諸国の自由なメディアを使って、中国の耳障りの良いプロパガンダを流して、潜在的な中国の味方・シンパを増やす努力は辛抱強く続けられている。「国際友好姉妹都市」なども同様で、ひそかに中国共産党の基本方針に沿った協約条項を認めさせることが多い。

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