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コロナ騒動にみるわが国のパンデミック対応の反省点

 朝から晩までコロナ一色のテレビ報道が、もう一年半も続いている。ごく最近は1年延期した東京オリンピックの開催に反対との報道が喧しいことである。
 世界的にみると、ロックダウンを敢行したところもそうでないところも、コロナの感染の波動(サージ)は繰り返して発生している。わが国の場合も、オリンピックの有無に関わらず、きっと流行の波がまた発生するであろう。
 前回の1月から3月までの2回目の緊急事態宣言の経過をみても、すでに緊急事態宣言なるものの効果は疑わしいものであった。そして4月からの3回目の緊急事態宣言前になると、おそらく感染力の強いコロナウイルス変異株の効果が主要因となって、2回目をうわまわる規模の感染サージが発生した。そして感染者数のマクロな推移動向は、世界的に同じようなことが発生している。もっとも感染者や死亡者の絶対数においては、わが国は非常に少数ではある。
 緊急事態宣言などのロックダウン指向の対策の無意味さについては、最近データが追加されて、衆議院本会議でも話題に上っている(予想されたとおりマスコミは取り上げない)。わが国の50倍弱もの多くの感染者を出しているアメリカのデータだが、ノースダコタ州とサウスダコタ州、カリフォルニア州とフロリダ州の対比データがある。ノースダコタ州とカリフォルニア州は、ロックダウンを指向するような厳しい行動規制を実施した州であり、サウスダコタ州とフロリダ州は特段の厳しい規制をとらなかった州である。結果は、規制の有無に関わらず、ほぼおなじような感染状況の経過を記録している。すでに1月から3月までのわが国について、私自身が日本のデータを見て、同じようなことを考えていたが、さらに国を越えて状況証拠が積み重ねられたということである。導入すれば甚大な犠牲と被害をともなう緊急事態宣言のような措置を、わが国政府が悩みもせずに気軽に発令しているとは思わないものの、少なくともこのような措置の効果・有効性について、もっと真剣に精緻に評価して、その評価結果をしっかり国民に説明して、効果に自信を持ったうえで発令していただきたい。
 感染の基本的なメカニズムが、空気感染ではなく飛沫感染であるなら、マスク、手洗いなどの励行は効果が期待できるが、ソーシャル・ディスタンスや「三密」などは優先順位が低いはずである。人流制限なども同じである。さらに、最近感じるのは、緊急事態宣言のような「厳しい」対処については、いわゆる「コロナ疲れ」からか、解除したときに反動が生じて「安心」「弛緩」してしまい、むしろ感染を助長するような行動をする人が多発するという傾向がある。緊急事態宣言は、その措置そのものの問題だけにとどまらず、バックラッシュ効果まで発生してしまうようだ。
 緊急事態宣言で活動制限や営業制限を受ける業種に対しては、政府からの適切な補償が必要とされるが、これこそ言うは易く実現は容易ではない。事業規模に応じて、さらに経営実績に応じて補償すべきなのは正論だが、それを逐一評価・査定して補償を実行していくなどという事業は、とても複雑で準備調査と時間を大量に費やす。さらに事業会社に補償したとしても、従業員のひとりひとりまで行き渡らせることは、実際上不可能に近い。そのうえ人間は機械ではないので、普通に働いて稼ぎそれで生活するときには不安がなくとも、補償金で生活するときは、いったいいつまでこの非正常な生活が続くのか、補償がいつまで継続可能なのか、いろいろ考えこんで深刻な不安を感じてきわめて不快なのはごく正常な心理である。コロナ騒動が始まってから、自殺者数も大幅に増加している。
 これまでのコロナ騒動の経過を振り返って、パンデミック対策にいくつかの反省事項があげられる。
(1)パンデミック対策は、やはり国家安全保障政策の一環であるべきだ。軍事動員と同じように特殊事態として特別の国家的動員体制を組み立てる必要がある。そのためには、一定度の人権制限も必要である。対策措置強制の結果発生する当事者の損害に対する国家からの補助、補償も必要であるが、それが迅速に遂行できるためには、いまだ徹底していないマイナンバーの全面的導入や、広範囲の国民経済データの集中管理体制が必要となる。
(2)パンデミックに対する医療体制も大きく組み直す必要がある。わが国は世界的に多数のベッド数を確保しているにかかわらず、少数の感染者で医療崩壊が発生する、というのは異常である。公立病院の比率が低いために国や自治体が病院に命令が出せない、という意見があるが、すべての病院の経営を支えているのはわが国の充実した健康保険制度である。私立病院だから国の言うことは聞かない、というのは不当である。病院の多くを公立化すると、平時での非効率経営が蔓延して、別の深刻な不健全性が増加する懸念が大いにある。この問題こそ国会でよく議論して、よい方向への法的整備を着実に進めていただきたい。
(3)ワクチンの国産化を、将来のためにも積極的に進めることが重要である。古くは日本脳炎から、小児マヒ、インフルエンザ、子宮頸がんなど、多くのワクチンの国産メーカーが悪意とも思える心無いマスコミの報道で罪人扱いされ、裁判で敗訴を続け、ワクチン開発・製造側では、もう日本でワクチンなどコリゴリという風潮が形成された。やはりパンデミック対策の一つのキー・ツールたるワクチンを、自国で供給できないのは厳しい。幸いわが国は技術レベルとしては十分対応できるのに、有害なマスコミがそれを潰してきたのである。さらに今回のように急いでワクチンを開発する事態には、トランプ前大統領が発動した「オペレーション・ワープ・スピード」のような、軍事的アプローチで短時間にワクチンを開発達成するシステムをくみ上げることも重要となるだろうが、ここまで一気には手が付けられないだろう。我々が獲得すべきは、まずワクチンという本当は有効で必要な手段のメリットとリスクを正しく理解し納得して、冷静に対応することである。副反応を喧伝し過ぎてワクチンとそのメーカーの開発部隊を破壊したり、また正反対にワクチンさえあればすべてが一気に解決すると喧伝したりする憎むべき愚を、二度と繰り返してはいけないのである。

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