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「発見された日本の風景」展(2)

西欧人画家の視点と日本人画家への影響
 田村宋立も小山正太郎も、西洋画の緻密さ、繊細さ、写実性と、それを実現する技術に魅了され、その導入に邁進した。しかし当時の日本人が学んだものは、絵画材料や絵画技術のみではなかった。Photo_20211101061801
 幕末から明治維新のころにはじめて日本を訪れた外国人は、日本人が愛でる立派で美しい神社・仏閣・庭園の美しさを認めた。しかし外国人からみて、それらと同様に、あるいはそれら以上に印象が強かったのは、神社・仏閣・庭園などの美のスポットから少し距離を置いて、周辺に見出すことのできる背景、佇まい、環境、そして日本の庶民の様子であった。
 明治時代の日本の風物をたくさん描いたイギリス人ジョン・ヴァーレー・ジュニアの「東京の芝の眺め」、「春の東京」、「日光東照宮鋳抜門」、「祇園から山々を望む」、「宮島の千畳閣と五重塔」などは、すべて目玉の建物や景観そのものというより、それを取り巻く周辺、背景、たたずむ人々に焦点を当てた作品である。ロバート・チャールズ・ゴフの「江の島」は、古くからの観光名所江の島の景勝ではなく、観光客相手の店が立ち並ぶ街路を、そこにたたずむさまざまな風体の民衆とともに描いている。
Photo_20211101061802  私がこの度いささか感銘を受けたのが、チャールズ・ワーグマン「見物する人々」や「街道」であった。チャールズ・ワーグマンは明治初期のイギリス人報道画家として高名で、これまでにもなんども多数の絵を観てきたが、「ポンチ絵」の創業者とも言われるように、伝達したい意思を前面に出し、適冝デフォルメしたり、ユーモラスに描いたり、どちらかと言えば漫画家のような作風の画家と認識していた。しかしここで見るワーグマンの作品は、画家としてのものであり、当時の日本の様子を真摯に表現している。
 いずれにしても、それまでの日本人画家が描く対象とはなりにくかった新しい視点を与えてくれたのであった。

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