2022年1月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
フォト
無料ブログはココログ

« モダン建築の京都展 京都市京セラ美術館(1) | トップページ | モダン建築の京都展 京都市京セラ美術館(3) »

モダン建築の京都展 京都市京セラ美術館(2)

2.様式の精華
 近代都市京都は、新規発展のみでなく歴史都市としてのアイデンティティをも追及した。古都のイメージと西洋近代建築様式との折衷・調和は、早くから意識されていた。1000年の都として京都に蓄積されてきた美術工芸品を収集・保存するため、明治21年(1888)の東京上野の帝国博物館に続いて、京都と奈良にも博物館が求められた。明治維新政府の最初期の政策には、激しい廃仏毀釈などもあり、多くの貴重な仏像が安易に廃棄されたり、仏師として懸命に修行を重ね高い技能を認められていた若き日の高村光雲が、絶望して西洋彫刻に倣った彫刻を制作しはじめて、結果として世界から賞賛される彫刻芸術家になったという逸話も誕生した。1_20211111062001
 ともかく、こうして明治28年(1895)「帝国京都博物館」(現・京都国立博物館)が竣工した。設計は、宮内省内匠寮の技師であった片山東熊が担当した。片山東熊(1854-1917)は、長州藩士の子として嘉永6年に生まれ、少年ながら戊辰戦争に従軍した後、明治12年(1879)工部大学校造家学科を第1期生として卒業、欧米各国をめぐって西洋の建築を視察し、西洋様式と日本の歴史的様式の統合に努め、帝国京都博物館をはじめ、東京御所(現・迎賓館赤坂離宮)など皇族邸宅・離宮なども設計した。
Photo_20211111062101  円山公園の南端に「長楽館」と呼ばれるレンガ造り3階建ての洋館がある。これは「サンライズ」という紙巻煙草で実業家として成功した村井吉兵衛の別邸として明治42年(1909)建てられた。アメリカから来て立教学校校長を勤めた伝道師・教育家であり、かつ建築家であったジェームズ・マクドナルド・ガーディナーが設計し、清水組(現・清水建設)の清水満之助が施行を担当した。
 岩石を原料とする天然スレート葺の屋根を持つルネサンス風の建物で、イオニア式の玄関ポーチを導入し、外壁は1階部分を花崗岩貼り、2・3階は黄褐色のタイル貼りにコーナーストーンを施している。迎賓施設として用いるために、1階には客間、ビリヤード室、食堂、2階には客間、貴婦人室、喫煙室、美術室などの接客空間が配置されている。内装も、1階はルネサンス風、2階喫煙室はイスラム風、3階は桃山風の書院など和風を凝らして、西洋・東洋・和の意匠を網羅しようとする意図が感じられる。

人気ブログランキングへお気に召せばクリックください

« モダン建築の京都展 京都市京セラ美術館(1) | トップページ | モダン建築の京都展 京都市京セラ美術館(3) »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« モダン建築の京都展 京都市京セラ美術館(1) | トップページ | モダン建築の京都展 京都市京セラ美術館(3) »