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ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(1)

 国立新美術館で「ルーブル美術館展─愛を描く」という展覧会が開催されていたので、鑑賞した。
 古代以来、西洋美術の根幹の一つであった、人間の根源的な感情である「愛」をテーマとする展覧会である。ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画、現実の人間の日常生活を描く風俗画などにおいて、特別な誰かに恋焦がれる神々・人々の情熱や欲望、官能的な悦び、あるいは苦悩や悲しみが、どのように描かれてきたのかを探る。また、宗教画においては、神が人間に注ぐ無償の愛、そして人間が神に寄せる愛が、聖家族、キリストの磔刑、聖人の殉教といった主題が、どのように絵画に表現されてきたのかをたどる。こういったテーマのもと、74点の絵画が展示されている。

「愛」の発明
 冒頭に登場するのは、フランソワ・ブーシェ「アモルの標的」(1758)である。Photo_20230528054701
 ブーシェは、18世紀フランス絵画の巨匠である。この作品は、「神々の愛」をテーマにした連作タペストリーの原画の一つで、道徳的に正しい愛の誕生の瞬間が象徴的に描かれているという。古代神話によれば、神であれ人間であれ、愛の感情は、ヴィーナスの息子である愛の神アモル(キューピッド)が放った矢で心臓を射抜かれた時に生まれることになっていた。この作品では、ハートが印された標的に刺さる矢によって、恋人たちの愛の誕生のその瞬間が表されている。標的の上に舞うアモルは、高潔な愛で結ばれた恋人たちに授ける月桂冠を高々と掲げる一方で、地上では、なんと二人のアモルが、もはや不要になった弓矢を燃やしているのである。
 これまでにもキューピットが登場する絵画はたくさん見てきたが、この作品ほど一挙に大勢のキューピットたちが賑やかに溢れる絵ははじめてである。
Photo_20230528054702  西洋の「愛のはじまり」は、やはりアダムとイヴ(エバ)の物語であろう。
 ピーテル・ファン・デル・ウェルフ「善悪の知識の木のそばのアダムとエバ」(1712以降)がある。
旧約聖書の「創世記」によれば、神が創った最初の夫婦アダムとエバは、エデンの園で、互いに恥ずかしいと思うことなく裸で暮らしていた。しかし、蛇にそそのかされたエバが、神から食べることを禁じられていた善悪の知識の木の果実を食べ、アダムにも与えてしまった。この瞬間から二人は裸であることを意識し、神の怒りに触れて楽園から追放されてしまった。ここに描かれているのは、アダムとエバがまさに罪を犯そうとする場面である。両手に禁断の果実を持ったエバは、その一つを自分の口に運ぼうとし、アダムは驚いたような身振りでエバを見つめる。蛇は描かれていないが、悪の象徴と解釈されるトカゲが地面を這っている。
 見栄えのする美しい容姿のエバが明るく描かれる一方で、どういうわけかアダムは日陰にかくれてはっきりとは容姿がわからない。

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