2024年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
フォト
無料ブログはココログ

« ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(1) | トップページ | ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(3) »

ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(2)

古代神話における性的欲望の表現
 アントワーヌ・ヴァトー「ニンフとサテュロス」(1715)という大作の絵がある。Photo_20230529054601
 山や泉などの自然物の精であるニンフと、人間の身体とヤギの脚を持つサテュロスを組み合わせたエロティックな情景は、古代美術に端を発し、ルネサンス以降はティツィアーノ、コレッジョ、ルーベンス、ヴァン・ダイクなど、名だたる画家たちによって描かれてきた。18世紀前半に活躍したフランスの巨匠ヴァトーによるこの作品は、この系譜に連なるものである。欲望に駆られたサテュロスは、無防備に眠るニンフの身体からベールをそっと持ち上げ、美しい裸身にみとれている。男性─女性、見る(能動的)─見られる(受動的)、褐色の肌─白い肌といった対比が、濃厚なエロティシズムをいっそう強めている。こうして改めて見ると、古典的な絵画でもかなりきわどい性的欲望の表現があったのだと気づくのである。
 Photo_20230529054602 セバスティアーノ・コンカ「オレイテュイアを掠奪するボレアス」(1715)がある。
 ギリシア・ローマ神話の男性の神々が気に入った女性を誘拐するエピソードは、ルネサンス以降の神話画において定番の主題となった。こうした場面には、肉体の強さを利用して愛する者を手に入れようとする男性の欲望の表出を読み取ることができる。18世紀イタリアの画家セバスティアーノ・コンカは、北風の神ボレアスが、川辺でニンフたちと遊んでいた王女オレイテュイアを力ずくで連れ去る場面を描いている。白髪の老人の姿をしたボレアスは、オレイテュイアの白く柔らかな身体をしっかりと抱きしめ、翼を広げて飛翔している。容姿でも年齢でもない、力こそが欲望を達成するのだ、というのだろうか。

人気ブログランキングへお気に召せばクリックください

« ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(1) | トップページ | ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(3) »

美術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(1) | トップページ | ルーブル美術館展─愛を描く 国立新美術館(3) »