日本大学アメリカンフットボール部の不祥事にかんして
日大アメリカンフットボール部といえば、2018年5月に他大学との試合において、危険なタックルで相手側チーム部員に負傷させた事件が大問題になった。それからわずか5年で、今度は違法薬物騒動を起こしたことで「反省のなさ」にマスコミやネットでは批判が続出している。「また日大アメフト部か」「廃部にするしかない」「大麻を使っているなら、今度こそ日大アメフト部は廃部だろ」などと厳しい声が相次いでいるようだ。
たしかに同じ組織が相次いで問題を引き起こしていることは目立ってしまうので、感情的な非難が過激化することは理解できないでもない。
しかし、問題の性格と位置づけはやはり曖昧にすべきではない。
今回の問題は、クラブのメンバーの違法薬物にかんする法律違反であり、基本はあくまでも個人的な犯罪である。危険タックル事件は、クラブのコーチや監督の暴力行為の教唆・指示であり、明確に組織的問題であった。それに対して、今回の事件は組織としての犯罪と確認されたわけではない。犯罪の発覚を知ってから警察への報告が遅れたことが問題とされるが、それが「犯罪的」とまで認定できない限り、犯罪者個人の問題という原則が尊重されるべきである。副学長の弁明に「教育的配慮としての時間的猶予」との説明があったが、これを単純に「隠ぺい」と決めつけるのも一方的である。
構成員から犯罪者が出たことで「廃部にすべき」という「連帯責任論」は、あきらかに過剰攻撃である。「犯罪者の学生よりも、周囲のまともな学生を護るためにすぐ警察に届けるべき」という大学ジャーナリストという人物のコメントもあるが、犯罪者の存在が直ちにまわりの正常な学生に伝染するわけでもない。
今回は、クラブ活動の停止も早々に回避され、「連帯責任」がひろがらなかったのは幸いであった。犯罪として確認できることには厳正に徹底的に対処すべきだが、感情的に問題を押し広げるようなことは、外部の人間としては努めて慎重であるべきだと思う。
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