デザインとアート展 中之島美術館(5)
異端児・赤瀬川原平(下)
同じ昭和38年(1963)「千円札の表だけを一色で印刷したもの」(模型千円札)に手を加えたものを作品として発表した。
さらに千円札を詳細に観察し肉筆で200倍に拡大模写した作品「復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)」を制作し、読売アンデパンダン展に出展した。同年、平岡正明・宮原安春らの「犯罪者同盟」が発行した単行本『赤い風船あるいは牝狼の夜』により、平岡らが猥褻図画頒布で逮捕されたとき、同著に赤瀬川の「千円札を写真撮影した作品」が掲載されていたことから、赤瀬川の作品は警察の知るところとなり、曲折の後、昭和40年(1965)「模型千円札」が通貨及証券模造取締法違反に問われ、起訴された。弁護人には瀧口修造といった美術界の重鎮たちが名を連ねて話題となったが、昭和42年(1967)6月東京地方裁判所の一審で「懲役3月、執行猶予1年、原銅版没収」の判決が出され、控訴ののち執行猶予つきの有罪が確定した。その後、源平は前衛芸術からは身を引くようになった。このころの作品が、今回展示されている「大日本零円札」(1967)である。
この後源平は、漫画家、随筆家、作家としても活動を広げていった。
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