井田幸昌 パンタ・レイ展 京都市京セラ美術館(5)
4.抽象絵画
井田は「私の仕事は、自由を求める行為の結果として生まれます。比喩的であろうと抽象的であろうと、それはその日の私にとって最も現実的な状況です。それこそ私がめざしているものです」という。
このコーナーでは、部屋全体を覆う壁紙に、井田幸昌の絵画のひとつを拡大した断片がプリントされ、その上に抽象的な絵画が重ねられている。ちょうどパソコン画面で複数のタブを開いたときの図やチャートの重複を模したかのような展示である。
井田は「ヒトの動き、樹木の揺らぎをとらえたい」という。日没、川、音楽など、瞬間に出現してすぐ次の瞬間に消え去るつかみどころのないものの象徴を、抽象的な様式で描く。それは、モノ、記憶、情報をめぐる旅となる。
Monet's Garden 2022がある。
これも具象画コーナーでの絵画と同様に、歴史的な先達の偉業に敬意を表しながら、インスピレーションを受け取り、自分の作品に創作したものである。表現方法が、ここでは具象絵画ではなく抽象絵画となっているのである。
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