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テート美術館展(9)

色彩と光の関係の探求
 19世紀にジョゼフ・マロード・ウイリアム・ターナーは、ロイヤル・アカデミーの生徒のために光線の反射・屈折、影の生成などを説明する図解をたくさん用意し、それまで視覚芸術で再現されることのなかった視覚的な感覚をとらえることを教えた。
Kv  そのターナーを「称賛すべき先達」とした作家・写真家・画家でもあるハンガリーの美術教育家モホイ=ナジ・ラースロー(1895~1946)は、そのような実験の歴史に触発され、19世紀末に出現した写真が絵画のもっとも革新的な側面をも追い越すことができると考えた。
 彼がドイツの前衛的な芸術学校であるバウハウスの教育に関わったことで、写真を用いたさまざまな実験や作品制作が多くの芸術家たちによって進められ、幾何学的な形態を用いて光と色彩の関係を考察するアーティストたちが大きな足跡を残した。
 ドイツ出身のヨーゼフ・アルバース(1888–1976)は、色は周辺の色との関係によって見え方が変わることを追究し、幾何学的な造形の中に色を配置することで、ある色の面が手前に見えたり、一方で奥に見えたりするといった現象が起きることを示した。モホイ=ナジ・ラースローや、ロシア出身でのちにドイツで活躍するワシリー・カンディンスキー(1866–1944)も色同士の関係性が生み出す視覚的効果を探求した。Photo_20240228054301
 この視点は、第二次世界大戦後の抽象画家の最も重要なテーマのひとつとなった。 1960年代半ば、英国の画家ブリジット・ライリー(1931~)は、様々な色の四角形や線を規則的に配置することで鑑賞者に錯覚をもたらす作品を発表した。「ナタラージャ」(1993)は、ヒンドゥー教のシバ神を意味するナタラージャを主題とした作品を制作した。それ以降も、ライリーの作品は絵画表現における光と色の関係を問い続けている。

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