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竹内栖鳳展 京都京セラ美術館(3)

ヨーロッパ旅行とその成果─外国の動物への関心
 明治33年(1900)栖鳳は36歳のとき、西欧を訪れる機会を得た。パリ万博で『雪中燥雀』が銀牌を受け、それにあわせてのヨーロッパ視察として7か月かけてヨーロッパを旅行したのであった。
 このヨーロッパ旅行で、栖鳳はターナー、コローなどの西欧の風景画の精緻な写実性に深い感銘を受けた。かねてより栖鳳の師幸野楳嶺は「画家にとっての写生帖は武士の帯刀である」と説き写生を奨励していて、栖鳳も写生を重視していた。
 栖鳳は、写生の対象としての動物に興味を持ち、日本では見ることができない大型動物にとくに注目した。Photo_20240206080901

 「虎・獅子図」明治34年(1901)がある。これは、六曲一双の屏風絵である。
きわめて精緻に細かな毛並みを表現し、墨および色彩の濃淡と、おそらく当時の日本画には珍しいと思われる光の効果を併用して、みごとに立体感と量感を表現している。それまでの日本画とは、ひとあじ違う表現だったであろう。
「象図」明治37年(1904)象図 明治37年(1904)がある。これも、六曲一双の屏風絵である。Photo_20240206081001

 ここでは、金地の台紙の上に、筆の刷毛の効果を直接活かした線の勢いと擦れと濃淡を用いて、金地を意図的に透かせて、巨大な像の皮膚の張りとともにその立体感と量感をみごとに表現している。こんな技法は、油彩のような重ね塗りは不可能なために、否応なく軽快な速筆が必須であり、卓越した筆遣いが求められる。見事な技術である。
 青年時代から描き続けた「写生帖(虫類、鳥類写生)」には、雉の肩や首筋、部位ごとに本物の羽を貼りつけた写生などが残されている。栖鳳は、研鑽を積んだ綿密な写生の完成度から「けものを描けば、その匂いまで表現できる」と評されるほどの卓越した描写力を達成した。

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