「女性画家たちの大阪」展 中之島美術館(20)
5.新たな時代を拓く女性たち
木谷千種門下の女性画家たち
三露千鈴
三露千鈴(みつゆちすず、明治37年1904~昭和元年1926)は、大阪船場で三露商店を営む三露家の長女として生まれた。母三露千萩とともに庭山耕園塾で花鳥図を学び、木谷千種の画塾では女性画を学んだ。白耀社展、大阪市美術協会展、八千草会展などにあいついで大作を出展した。大正15年(1926)最晩年にキリスト教に入信し、22歳の若さで死去した。
その最晩年の作品「秋の一日」(大正15年1926)が展示されている。
丸髷を結った若い母が、庭先で幼女を抱きかかえている。これは千鈴の母、やはり画家であった千萩(昌園)の若き日の姿であろうという。病弱な千鈴が絵の道一筋に生きようとするのを支えてくれた母への深い感謝を込めた作品となっている。
千鈴は母をテーマとして多くの秀作を描いた。母親の足もとに芙蓉の枯れ葉が一枚描かれ、季節が移ろうように命が継がれていくことが示唆されている。第3回大阪市美術協会展に出品された。

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