談山神社紅葉見物(3)
閼伽井屋
総社本殿から権殿に向かう途中、権殿のある高台に上る石段に向かう手前に閼伽井屋(あかいや)がある。
閼伽(あか)とは、仏に供える水のことで、その「閼伽の水」をくむ井戸を閼伽井戸と言い、その井戸を納める小屋を閼伽井屋という。
この小屋は、屋根はこけら葺き(薄板の積層)で、江戸時代初期元和5年(1619)の造営である。この中の井戸は「魔尼法井(まにほうい)」と呼ばれ、その昔中臣鎌足の長男定慧(じょうえ)和尚が法華経を講じたとき、龍王の出現があったと伝える。これも重要文化財である。
比叡神社
権殿(ごんでん)の前の石段を登り、左手奥に行くと比叡神社(ひえじんじゃ)がある。
この建物は、江戸時代初期の寛永4年(1627)造営の一間社流造(いっけんしゃながれづくり)、すなわち切妻の屋根の正面側は非対称に長く、正面を構成する2本の柱の間隔は1間であり、小型の様式である。しかし正面には軒唐破風をつけ、檜皮葺の小さくも豪華な様式となっている。もとは飛鳥の大原にあった大原宮がここに移築されたもので、明治維新までは「山王宮」と呼ばれていたという。これも重要文化財である。
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