関西大阪万国博覧会(4)
国際機関パビリオン(国際機関共同館)
国際機関パビリオンは、ブラジル館に隣接する団体休憩所の筋向いにあり、とくに入場者の待ち行列もなかったので、入ってみた。
ここでは「東南アジア諸国連合(ASEAN)」、「太陽に関する国際的な同盟(ISA)」、「国際核融合エネルギー機構(ITER)」の3つの国際機関が展示していた。
私は、エネルギー問題に興味があったので、国際核融合エネルギー機構(ITER)の展示と解説を見学した。
「太陽に関する国際的な同盟(ISA)」も主張するように、太陽光エネルギーの有効活用は重要ではあろうが、今後たとえば世界的にAIの拡大普及が見込まれることをはじめ、ますます急速かつ膨大な電気エネルギーの需要の拡大がみこまれるので、太陽光発電などではとうてい莫大な電力需要を満たすことはできない。したがって国際核融合エネルギー機構(ITER)が説く核融合発電はとても重要な発電手段となる、という説明は説得力がある。ただ、この展示場の解説者が「太陽では太陽の中心部の超高温と、きわめて大きな重力による圧力で核融合が起こっている」との説明は、いささか粗雑に感じた。太陽内部の中心部に極端に大きな重力はない。
このパビリオンの入場者が少ないのは、展示内容にアピールポイントが鮮明でないこと、分かり易い解説が不足していることが挙げられると感じた。
中国パビリオン
国際機関パピリオンの向かいに中国パビリオンがある。待ち行列は、20分くらいで入場できた。
中国パビリオンの建物の外観デザインは、古代中国で使われていた記録媒体「竹簡(ちくかん)」からインスピレーションを得ている。竹を薄く削って文字を記した竹簡は、紙が普及する以前の中国で、重要な文化的役割を果たしていた。ちなみに日本の古代では、主に木簡(もっかん)が使用された。
この竹簡のイメージを現代的に解釈し、縦に連なる細長い板状の外壁が特徴的な建築となっている。竹簡の上には、論語や漢詩の文章が種々の漢字で記されている。昼間は太陽の光を反射して明るく、夜はライトアップされて幻想的な雰囲気を醸し出す。伝統的なモチーフを現代建築に取り入れることで、中国の歴史の深さと現代の技術力を同時にアピールしている。
このパビリオンの入り口の前で、私たちが待ち行列に並んでいたとき、中国が誇る二足歩行ロボット「Walker 行者」が出てきて、観衆の声援に応えていた。
身長約1.5メートルのヒューマノイドロボットである。今年の4月、テレビの報道番組で人間のランナーとヒューマノイド(人型)ロボットが一緒に走る初のハーフマラソン大会が北京郊外で開催されたことを伝えていた。計21体のロボットが参加し、うち4体が完走に成功し、そのうちもっともタイムが良かったのは2時間40分であった。スタート直後のロボットには転倒や頭部の脱落、転倒して機体がバラバラになるなどコミカルな場面も見られ、また多くがスピード不足などの問題で途中リタイアしたという。まだまだ人間のランナーにはかなわないが、ここまで到達したのは素晴らしいことだと、技術者であった私は評価したい。
このときパピリオンの前に登場したロボットは「Walker 行者」と名づけられ、身長約1.5メートルで、自然な歩行と流暢な会話で来場者のガイド役を務めることができるという。
ようやくパビリオンに入ると、最初の1階展示場の冒頭には、さまざまな映像インスタレーションが中国古代の紹介をしている。
「良渚文化」という、一般に中国の古代として紹介される夏・商・周(紀元前2000年から)に先立つ、もっと古い歴史についての紹介がある。
中国ではすでに5000年以上前(紀元前3300年ころ)に巨大な城市があったとし、そのひとつとして「良渚文化」の遺物とされる「玉銭」が展示されている。インドのインダス文明に負けない中国の歴史の古さをアピールするのである。
この他にも、商の時代の青銅の仮面、他の古代の青銅器や仮面など種々展示されている。
ともかく古い、凄いという中国古代のアピールを見た後、2階に上がると今度は現代中国の先進性のアピールが続く。
プレゼンテーション・ジオラマの印象がすっかり変わって、グリーンとブルーを基調とした宇宙や未来や緑の大自然を連想させる場面となる。
水、健康、生態系、交通、文化、ディジタルデータ、産業、エネルギーの8つのネットワークが統合された未来都市のビジョンがジオラマとして展示されている。
この他、日本での万博開催ということを意識して、日中友好にかかわるディスプレイもたくさんある。廊下や階段の壁には、田中角栄をはじめ日中関係の構築・改善に貢献した日本人のレリーフや写真が飾られている。
また、月の表面から採取した土(砂)も幾種類かが小さなシャーレにサンプル展示されている。まあ、見ただけではただの砂と違わないけど。中国の月面探査機「嫦娥5号」と「嫦娥6号」が持ち帰った月の表側と裏側の土壌が展示されているのである。宇宙開発における中国の貢献についても、かなり詳しいプレゼンテーションがある。
パビリオンは3階建てでかなり大規模なものであり、中国が国威を世界に知らせようとの熱い意志を感じることができるが、展示としての華やかさや魅力は少ない。
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