小村雪岱のすべて あべのハルカス美術館(8)
5.挿絵の真骨頂─粋と艶の美学
昭和に入り大震災の余波も落ち着くと、小説に加えて講談などが繁盛する時代となった。このころから雪岱は、新しい親密な仕事のパートナーとして邦枝完二(くにえだ かんじ)と出会い、新聞連載小説で多数の挿絵を発表するようになった。
すでに挿絵の勘どころを十分習熟した雪岱は、新聞の印刷の特性を最大限生かした、黒べた塗りと余白としての白色のコントラストを活用した迫力ある挿絵を完成させていた。
邦枝完二『繪入草子おせん』挿絵原画 昭和9年(1934)、邦枝完二『お傳地獄(お傳と浪之助)』昭和10年(1935)などが展示されている。
いずれも、雪岱の粋と艶の美学が見事で、円熟が感じられる。


























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