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2018年韓国平昌冬季オリンピックへの雑感

 2月9日から25日まで、韓国平昌(ピョンチャン)で冬季オリンピックが開催された。
 私はさほどマメにテレビでライヴを観戦したわけではなく、多くはニュースなどの録画で観たことが多い、いわば横着な観衆だったが、フィギュアスケートの羽生結弦選手、スピードスケートの小平奈緒選手、高木美帆選手、高木菜那選手、菊池彩花選手、佐藤綾乃選手のそれぞれの金メダルは素晴らしかった。銀メダルの宇野昌磨選手、渡部暁斗選手、平野歩夢選手も大健闘であった。銅メダルの高梨沙羅選手、原大智選手、藤沢五月選手、吉田知那美選手、鈴木夕湖選手、吉田夕梨花選手もとても立派な成果であった。メダルに届かなくとも、スノーボード・パラレル大回転の竹内智香選手は大けがを克服してグッドファイトを見せてくれたし、フィギュアスケートの宮原知子選手・坂本花織選手も堂々たるパフォーマンスだった。そのほかにも、メダルの有無に関係なく、アスリートたちがたくさんの感動を与えてくれた。
 その一方で、今回のオリンピックは問題が多すぎる点でも印象が深いものであった。会場が極端に寒くて天候も不安定が過ぎて、スノーボードの滑降競技では大部分の選手が強風で転倒してしまったし、スキーのジャンプではやはり強風で試合途中になんども中断が発生し、選手は待機中強風・極寒のなかにさらされた。これらの悪条件は、勝負そのものについては平等だとしても、「アスリート・ファースト」からはほど遠いものであり、選手たちはほんとうに気の毒であった。
 出場選手だけでなく、大会運営を陰で支えるボランティアに対する準備や処遇も、とてもひどいものであったらしい。衛生管理の極めてわるい厨房でつくられた給食から、大量のノロ・ウイルス汚染と罹患を発生した。一部の選手にさえ罹患者がでた。会場への交通手段が未整備で、氷点下20~30度の極寒のなかで数時間待たされたボランティアの人たちも発生した。スキー・ジャンプ競技では、選手へのインタビューを行うミックス・ゾーンと呼ばれる各国メディアが集まる場所が、これまた吹きさらしの極寒の場所で、選手たちも報道陣も命がけのインタビューであったという。
 韓国が半島国家であり国土がさほど広くないといっても、もう少しマシな地域でオリンピックを開催できなかったのだろうか、あるいは平昌でなければIOCが招致を認めないというのであれば、IOCにも重大な責任があるのではないだろうか。
 さらに今回のオリンピックを決定的に深く傷つけたのが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領であった。非核化を求める国連経済制裁に困窮する北朝鮮の金正恩が、年頭演説で「平昌冬季オリンピックに参加する用意がある」と発言したのがそもそものはじまりであった。元来親北である文在寅大統領は、オリンピックに北朝鮮を参加させることに夢中になり、金正恩の一言一言に有頂天に舞い上がりあるいは蒼褪め、金正恩に思うままに操られて、北朝鮮の非核化を目指す世界各国、とりわけ米・日との協調体制を崩しかねない、理解不能で素頓狂で愚かな態度をとり続けた。韓国のみならず、日本のメディアの報道姿勢も異常であった。北朝鮮がごくわずかの低レベルの選手しか派遣できないのを弥縫しようと、また愚かな外国メディアの注目を集めて政治的に優位に立とうと、選手数より一桁多い人数の「美女応援団」「楽団」なる怪しげな女たちや、金正恩の妹という独裁体制の象徴のような女を、オリンピック会場に派遣した。これに対して韓国内のメディアのみならず日本のテレビや新聞も、なんども詳細に執拗とも思えるほどにこれらの女たちを取り上げて頻繁に報道していた。「美女応援団」などという物言いは、セクハラに抵触しないのだろうか。日本の多くのメディアは、その一方で、アイススケート・ショートトラックの競技において、自分で勝手に転倒した北朝鮮の選手が、日本選手のスケート靴をつかみ、さらに脚で走行妨害した事実を報道しなかった。被害者の日本選手も、オリンピック出場をめざして懸命に努力を積み重ねてきたのだ。このバランスを欠く報道姿勢はどのような考えに基づいているのだろうか。金正恩の高笑いが聞こえてきそうな韓国大統領、そして日本のメディアの行動が続いた。
 2008年北京オリンピックのとき、国益のみを追求し、オリンピックを全面的に政治利用する中国の醜いオリンピック運営を観て以来、私はオリンピックに対して良いイメージを持てないのだが、オリンピック出場を目指して懸命に努力するアスリートたちの間近にいる人たちからは「オリンピックを否定するなんて、とんでもない」と叱られた。たしかに今回の冬季オリンピックでも、もしオリンピックがなければ私など生涯かけても知らないままだったであろう競技種目をたくさん知り楽しむことができた。競技種目が広範囲にわたり、世界中の観衆が多彩な競技にであって楽しめるという点で、オリンピックが格別に優れた特徴をもつことは認めざるを得ない。それにしても、今回の平昌冬季オリンピックのように、あまりにも露骨かつ稚拙に北朝鮮に政治利用されるような醜態が繰り返し発生するようであるなら、われわれも真剣にオリンピック廃止を議論すべきである。「わが圧倒的な核兵力で、日本列島を海底に沈める」などと発言する金正恩の北朝鮮が、ますます核開発を進めてわが国が深刻な危機をさらに深めるようなら、到底スポーツどころではない。今回の文在寅大統領の醜態は目に余るが、振り返ればかつてわが国の民主党政権時にも、鳩山由紀夫が大韓航空機爆破事件の真犯人を国賓なみの待遇で日本に招待し、自分の別荘に宿泊までさせるという醜態があった。決して他人ごとではないのかも取れない。
 IOC会長のバッハ氏は閉会式で「平和に向けて、歴史に残る感動をもたらした」と空空しく発言し、さらに金正恩の招待に嬉々として北朝鮮を訪問するという。オリンピックの理念として「平和の祭典」という理念は尊重すべきだが、スポーツ「だけで」平和が実現した実績はなく、なんら現実性がないのであり、北朝鮮に核開発の時間を簡単に与えて、世界の脅威を増幅する惧れをこそ真剣に考えるべきなのである。
努力を重ねて健闘し、たくさんの感動を与えてくれたアスリートたちには罪がないので、いささか申し訳ないが、私にはとても後味の悪いオリンピックであった。

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